ブラックハットSEOとは何か?その歴史と内容を紹介

ブラックハットSEOとは

ブラックハットSEOとは、質の低いコンテンツの検索順位を不正な方法を用いて上位に上げようとする手法のことです。
「ブラックハット」という用語は、西洋の映画の黒い帽子を被った「悪者」と白い帽子を被った「善人」に由来するといわれています。

ブラックハットSEOの歴史

誤ったSEO

ロボット型検索エンジンが登場した当時は、ページ内のキーワード出現率やサイトのページ数といった単純なものでサイトが評価されていました。
ここから検索アルゴリズムを逆手に取って意図的にサイトの検索順位を上げようとする考えが生まれ、ブラックハットSEOが台頭します。
次第にWebスパムやリンクスパムが蔓延するようになり、低品質のサイトばかりが上位表示されるようになりました。
このためGoogleは検索エンジンのアルゴリズムを更新してブラックハットSEOの取り締まりを始めます。

検索エンジンのアップデート

主要なアップデートとして知られているのが、2003年11月のフロリダアップデート、2011年2月のパンダアップデート、2012年4月のペンギンアップデートです。
これらのアップデートを経て、現在では「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」に基づいて不正な手法を用いたサイトはペナルティを受けて順位を下げるか、評価対象から除外されるようになっています。

ホワイトハットSEOの台頭

衰退したブラックハットSEOに代わり、現在主流となっているのがホワイトハットSEOです。
ホワイトハットSEOは「Google 検索の基本事項[1]旧Googleウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)」に準拠して品質の高い、ユーザーに配慮したコンテンツ作り、SEOを行う手法となっています。

ブラックハットSEOの具体的なテクニック

ブラックハットSEOの主な手法には次のものがあります。

リンクファーム

リンクファームとはコンテンツの関連性の有無にかかわらず大量のリンクを互いに貼り合っているWebサイト群のことです。
不正目的で数千規模のサイトでリンクを貼り合う行為は、検索エンジンからスパム行為と判断されます。

ペイドリンク

ペイドリンクとは、お金を払って他のサイトに自分のサイトへのリンクを掲載してもらうことです。
これも関連するWebサイトからのリンクであれば問題はないのですが、単にお金を支払って大量にリンクを掲載してもらうような方法では、ペナルティの対象になりえます。

隠しテキストと隠しリンク

検索エンジンの操作を目的として、人間のユーザーには見えないようにして配置されたコンテンツやリンクです。
Googleのポリシーに違反する隠しテキストと隠しリンクの例は次のとおりです。

  • 白い背景で文字色を白にする
  • テキストを画像の背後に置いて隠す
  • CSSを使用することでテキストを画面の外に配置する
  • フォントサイズや不透明度を0にする
  • 目立たない1文字のみをリンクにして隠す

キーワードスタッフィング

Webページにキーワードや数字を詰め込むことです。
不自然にリストやグループの形式を用いてキーワードを記載したり、関連性のない場所でキーワードを記載したりします。

コピーコンテンツ

コピーコンテンツとは、他のサイト・ページのコンテンツをコピーして自分のサイトに掲載することです。
独自のコンテンツや付加価値を加えることなく転載することや、類義語への置き換えなど若干の修正を加えての転載などがコピーコンテンツとみなされます。

ワードサラダ

ワードサラダとは、検索キーワードを含んでいるものの文章としては意味をなさない自動生成されたテキストのことです。
文法としての誤りがないため以前は検索エンジンによってスパム判定ができませんでしたが、現在では自動生成されたコンテンツとして認識できるようになっています。

クローキング

クローキングとは、ユーザーと検索エンジンに対して異なるコンテンツを表示する手法です。
ページをリクエストしたユーザーエージェントが人間のユーザーではなく検索エンジンである場合にのみページにテキストやキーワードを挿入するのはクローキングの一例です。

まとめ

今回はブラックハットSEOについて解説してきました。
ブラックハットSEOは検索エンジン黎明期のアルゴリズムの裏をかいて検索順位を上げようとする手法でした。
今日では検索エンジンもアップデートされ、ブラックハットSEOのほとんどが無効になり、かえって検索順位を落とすことになっています。

この検索エンジンのアップデートについては、下記の記事もご参照ください。

参考

1旧Googleウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)