1on1ミーティングとは何か?メリットや注意点、質問例を紹介

「忙しいのに、わざわざ話すことがない」
「結局、業務報告(進捗確認)で終わってしまう」
「部下が沈黙してしまい、気まずい……」

近年、多くの企業で導入が進む「1on1ミーティング」ですが、現場からはこんな悲鳴も聞こえてきます。
形だけの1on1は、上司・部下双方にとって時間の無駄です。
本記事では、1on1が失敗する原因となる「勘違い」を解きほぐし、実りある時間にするための具体的な進め方と質問例を解説します。

目次
このサイトの運営者

山脇 弘成(SSAITS代表)

PMP®有資格者・Webプロジェクトマネージャー
大手メディアや官公庁のWebプロジェクト実績多数。
「技術」だけでなく「対話」を重視し、御社の「ほんとは、こうしたかった」を形にします。

1on1ミーティングとは

【定義】「人事評価面談」と「1on1」の違い

1on1ミーティングとは、上司とプロジェクトメンバーによる1対1の対話の時間を指します。
通常の面談との大きな違いは、1on1は「メンバーのための時間」ということです。
つまり、情報共有や指導が目的なのではなく、1on1を受けるメンバーの心理的安全性を高めることを目的としています。
対話を通してメンバーの心理的安全性を高めることは、仕事へのモチベーションを維持することにつながります。

頻度と時間の目安

【頻度】「単純接触効果(ザイアンス効果)」のグラフ

1on1ミーティングに決まったルールはありませんが、効果を出すための推奨ラインはあります。

1on1ミーティングの目安
  • 頻度: 週1回 ~ 隔週1回
  • 時間: 1回 30分程度

重要なのは「短くてもいいから、回数を重ねること(接触頻度)」です。
月に1回・60分の面談よりも、週に1回・15分の雑談の方が、信頼関係(ザイアンス効果)は構築されやすくなります。
「何かあったら話す」ではなく、「定期的に予定をブロックして、何もなくても話す」ことが1on1の鉄則です。

なぜ1on1ミーティングが必要なのか

近年は個人の生き方や、個人を取り巻く環境が多様化・複雑化しており、仕事に影響を与える個別の事情も急増しています。
プロジェクトメンバーを抱える場合、業務をスムーズに遂行するためには、そういった個別の事情を把握する必要があります。
1on1を通して心理的安全性を確保し、個人が自己開示しやすい状況を作ることが重要視されるようになってきました。

1on1の注意点

通常の面談と同じような進め方をしてしまうと、1on1という場への心理的安全性が低くなってしまいます。
メンバーにとって心理的安全性が低い場では自己開示ができず、結果的に仕事へのモチベーションが低下してしまいます。
1on1への心理的安全性を高めるために、上司の立場としては次の点に注意する必要があります。

自分の納得を求めない

対話を進めていく中で、メンバーの話に納得できない点が出てくることがあります。
そういった場合でも、「どうして?」「なんでそう思うの?」というように自分が納得できるまで質問をしてはいけません。
1on1を自分が納得するための場にしてしまうと、その場がメンバーのためのものではなくなってしまいます。
また、上司に問い詰められていると感じさせてしまうと、1on1に対して「何を言っても大丈夫」という信頼を持つことができません。
どんなに納得できない、わからないことを話していたとしても1on1の場では共感の姿勢で聴き切ることが大切です。

アドバイス、説得をしない

【注意点】「話す量」の黄金比率(9:1の法則)

1on1の場では、部下の悩み事に対してアドバイスをしたり、自分の経験を話して聞かせるようなことはしてはいけません。
また、自分の考え方と異なることを話していたとしても考えを改めさせようとしてはいけません。
それは業務の中で指導していくべき内容であり、1on1はメンバーのための場であるという前提を崩さないように注意します。

上司が答えを持っており正論を語ると、メンバーは「そうですね」としか言えなくなり自分の話をしようという気持ちがなくなってしまいます。
「わからせてやろう」という気持ちで話すのではなく、「あなたのことを教えて欲しい」という姿勢を持ち続けましょう。

常に傾聴・共感の姿勢を持ち、メンバーがこの場であれば好きなことを言っても大丈夫と感じられる環境づくりを心がけます。
1on1への信頼を積み重ねていくことが、メンバーの心理的安全性を高めることにつながります。

補足:「ティーチング」が必要な場面もある

もちろん、経験の浅い新人や、緊急トラブルの対応中など、明確な「答え」が必要な場面では、迷わずアドバイス(ティーチング)をしてください。
しかし、1on1の基本スタンスはあくまで「コーチング(相手の中から答えを引き出す)」です。 「アドバイスしたい!」と言いたくなっても、ぐっとこらえて「君はどう思う?」と問いかける。この我慢こそが、部下の思考力を育てます。

話すテーマ(アジェンダ)は誰が決める?

理想的な1on1は、「メンバーが話したいことを話す」状態です。
慣れてきたら、事前にメンバーからアジェンダ(話したいこと)を提出してもらうのがベストです。

  • 今週の振り返り
  • 最近モヤモヤしていること
  • 来期のキャリアについて
  • 健康状態やプライベートの変化

とはいえ、最初から「何でも話して」と言うと沈黙してしまうため、上司側でいくつかの「呼び水(質問)」を用意しておくことが大切です。次章で具体的な質問例を紹介します。

1on1の質問例

1on1の場を設けても、「さあなんでも話して」と座っているだけではメンバー側から話をしてくれることはありません。
1on1を円滑に進めていくために、メンバーに丸投げするのではなくいくつか質問を用意して臨みましょう。

質問例
  • 今の業務で困っていることはありますか、もっとこうして欲しいというリクエストはありますか
  • 次の職能レベルに行くために、何が必要だと考えていますか
  • 今の自分の強みはなんですか。その強みは今の業務で活かせていますか
  • この1ヶ月で、一番力を入れて取り組んだ業務はなんですか

ざっくりとした質問から掘り下げていき、徐々に自己開示を促していきましょう。

最後に

メンバーにとって上司と2人きりで話す場は楽しいものではありません。
しかし、心理的安全性の確保は仕事へのモチベーションに直結する大切な要因の1つです。

メンバーの内面を知り、適切に業務をアサインすることができればメンバーの業務へのモチベーションを維持し続けることにつながります。
信頼を積み重ねて、メンバーが1on1を楽しみにしてくれることを目指しましょう。

参考

  • 伊藤守『3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2008年
  • 世古詞一『シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング』かんき出版、2017年
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