EOSとEOLの違いは何か?IT業界で耳にする用語を解説

2022年4月28日

EOSとEOLという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
どちらもソフトウェア、サーバー、ネットワーク機器を導入する際に、よく使われる用語です。
EOSとEOLには、似たような意味がありますが、厳密には意味合いが異なります。
今回は、混同されやすいEOSとEOLの違いについて解説します。

EOSとは

EOSとは「End Of Sales」の略称です。
IT業界では「製品・サービスの販売終了」を指して使われます。
EOSを迎えた製品は、修理依頼が出せなくなり、保守対象から外れます。
製品の販売は終了しますが、製品に含まれる部品の交換や、問い合わせサポートは継続して行われます。

EOLとは

EOLとは「End Of Life」の略称です。
直訳すると、ライフサイクルの終わりという意味です。
IT業界では「製品の販売とサポートの終了」を指して使われます。
EOLを迎えると、製品に含まれる部品についても、新規の生産が行われません。

EOSとEOLの違い

EOSとEOLの違いは、サポートが受けられるかどうかに違いがあります。
EOSとなった製品・サービスは販売こそ終了しますが、サポートは継続して受けられます。一方でEOLとなった製品・サービスはサポートを受けることができません。

EOSを迎えた後、一定の期間を設けてEOLを迎えます。
特に意識する必要があるのは、サポートが終了するEOLです。

EOLで意識すべきポイント

製品がEOLを迎えることで発生するリスクは、下記の通りです。

  • 製品の修理対応やサポートが受けられなくなる
  • 不具合の修正・アップデートがされなくなる

製品のサポートが全て停止するため、不具合や故障に対応できなくなります。
アップデートも停止されるため、セキュリティのリスクも発生します。
そのため、EOLを迎えた製品は、他の製品に置き換える「リプレイス」が必要です。

EOLに対してエンジニアがやるべきこと

EOSやEOLの期限は、事前にメーカーからアナウンスされます。
アナウンスがあった際に、エンジニアがやるべきことは以下の通りです。

  • ユーザーにEOLをアナウンスし、リプレイス計画を提案する
  • リプレイス費用の見積もりを提案する
  • 製品を選定する
  • リプレイスの日程を決める
  • EOLを迎える前に製品をリプレイスする

それぞれ詳しく説明します。

ユーザーにEOLをアナウンスし、リプレイス計画を提案する

製品がEOLの対象となった場合はすぐに、ユーザーにアナウンスし、リプレイス計画を提案します。
同じ時期に導入した製品が、一斉にリプレイス対象となるため、銀行のATM、支店など大量に同じ製品を導入している場合は、全てリプレイスすることになります。
また、各地に支店がある場合は、全国規模でリプレイスが発生します。
対象製品の数が多い場合は、数ヶ月、数年単位でプロジェクトを進めることもあります。

リプレイス費用の見積もりを提案する

リプレイスは機器購入費用のほかに、設計やリプレイス作業の費用がかかります。
企業は、年度の予算が決まっているため、リプレイスを提案しても急に予算が下りないこともあります。
早めに費用の見積もりを作成し、ユーザーに提示することが重要です。

製品を選定する

使用していた機能が、リプレイスで導入する機器で利用できるか確認することも重要です。
リプレイス時に新しい機能を追加したり、ネットワーク構成を変更する場合は検証を行います。

リプレイスの日程を決める

企業が平日日中帯に稼働している場合は、業務に支障がない時期を選んでリプレイスを行います。
土日や年末年始、長期休暇など、作業できる日程が限られています。
作業者の確保も必要となるため、早めにユーザーとの日程調整を進めることが重要です。

EOLを迎える前に製品をリプレイスする

EOLを過ぎてしまうと、製品は保守対象からはずれ、修理や交換ができなくなります。
不具合に対応できなくなるため、企業にとって重大な被害となることもあります。
EOLを迎える前に、確実にリプレイスを完了させることが重要です。

参考

用語

Posted by promapedia