プロジェクト・コミュニケーション・マネジメントとは何か?PMBOKの知識エリアの1つを解説

プロジェクト・コミュニケーション・マネジメントの概要

プロジェクト・コミュニケーション・マネジメントとは、PMBOKの知識エリアの1つです。
ステークホルダーの間で情報交換を円滑に実施することを目的としており、PMBOKでは「『効果的な情報交換を達成するための活動』を通じて、プロジェクトとステークホルダー間の情報に対するニーズの満足を確実化するためのプロセス」と定義されています。
「ステークホルダー」とは経営者や従業員、取引先など、企業のあらゆる利害関係者を指す言葉です。

プロジェクト・コミュニケーション・マネジメントは、主に以下の計画プロセス群で扱われます。

  • 計画プロセス群…「コミュニケーション・マネジメントの計画」
  • 実行プロセス群…「コミュニケーションのマネジメント」
  • 監視・コントロールプロセス群…「コミュニケーションの監視」

コミュニケーション・マネジメントの計画

コミュニケーション・マネジメントの計画プロセスでは、主に「コミュニケーション・マネジメント計画書」を作成します。
ステークホルダーの“コミュニケーションに対するニーズ”に応える仕組みを構築するのが大きな目的です。

「コミュニケーション・マネジメント計画書」は、プロジェクトについての情報を、いつ・誰が・どこで・どのように発信するかなどをまとめたものです。
コミュニケーション・マネジメント計画書には以下の内容などが記載されます。

  • ステークホルダーコミュニケーション要求事項
  • 伝達すべき情報
  • 情報を配布する理由、配布する時間帯・頻度
  • 制約条件

コミュニケーションのマネジメント

プロジェクト実行中は、コミュニケーション・マネジメント計画書に従って実際にマネジメントを行います。
ステークホルダーとコミュニケーションをとり、プロジェクトの情報の管理・収集・配布を実施します。

情報を収集する際は、会議やヒアリングを行い、やりとりの効率化を図ります。
情報を配布する際は、プロジェクト内容をまとめた文書や、定例会議の議事録などを提供します。

PMBOKでは「プロジェクトマネージャー自身のプロジェクト中の仕事の90%はコミュニケーションに関するもの」と称されており、コミュニケーションのマネジメントは非常に比重の大きい作業でもあります。

コミュニケーションの監視

コミュニケーションの監視では、プロジェクト中の実際のコミュニケーションが計画書通りに行われているかを確認・評価します。
とくに評価の対象となるのは、ステークホルダーのニーズが満たされているか、情報を配布した際に双方で理解ができているかという点です。
コミュニケーションの評価は、コミュニケーションの有効性を改善するために都度行われます。