ビジネスマネジャー検定試験の難易度にあわせた効率のよい勉強法
ビジネスマネジャー検定試験とは?
ビジネスマネジャー検定試験というものをご存知でしょうか。
日商簿記検定やビジネス実務法務検定試験を開催している東京商工会議所が2015年からスタートした検定試験です。
今後は昇進試験の代わりになることが予想される
このビジネスマネジャー検定試験は会社のトップだけでなく、現在すでに部下を抱えるミドルマネージャーやこれからスタッフを率いて仕事をしていこうとする人をターゲットとしています。
今後は昇進試験の代わりや昇進の条件としてこのビジネスマネジャー検定試験が用いられることが予想されています。
そのため、日商簿記に比べまだまだ知名度の高くない試験とはいえ、今後耳にする試験になっていくでしょう。
幅広いビジネスマネジャー検定試験を効率よく合格するには
さて後述するように、このビジネスマネジャー検定試験はかなり出題範囲が広いです。
人を統括するにあたっては自分の業務だけでなく、幅広い知識が必要ということですね。
今回はこのビジネスマネジャー検定試験を効率よく合格するために、どのような勉強をしていけばよいのかを考えていきましょう。
ビジネスマネジャー検定試験に臨むにあたって
実際にビジネスマネジャー検定試験の勉強法を考えていく前に、いくつかの前提となるポイントを見ていきましょう。
ビジネスマネジャー検定試験の科目
まずビジネスマネジャー検定試験の出題範囲を見ていきましょう。
ビジネスマネジャー検定試験で出題される内容は大きく分けて以下の4つに分けられます。
- マネジャーの役割と心構え
- 人と組織のマネジメント
- 業務のマネジメント
- リスクのマネジメント
詳しくは東京商工会議所のWebサイトをご覧ください。
人を統括するマネージャーとして、幅広い知識が求められているといえましょう。
問題集は公式テキスト・問題集だけでOK
次にテキストや問題集ですが、これは東京商工会議所から公式テキストと問題集がでていますので、この2つだけで十分です。
実際に試験を受けた感触としては「経営学検定試験」に出題内容が似ていますので、時間があり、どうしても1つの問題集だけでは不安だという方は経営学検定の問題集で練習してもよいかもしれません。
しかし多くの場合、仕事をしながら試験勉強をする時間というのは少ないはずですので、欲張らず公式問題集だけで勉強するほうがよいでしょう。
歴史が浅いため、似たような問題が出題される
ビジネスマネジャー検定試験は2015年からスタートした、まだまだ歴史の浅い試験です。
こうした歴史の浅い検定試験の傾向として、過去問と大して変わらない問題が繰り返し出題されるというものがあるのですが、ビジネスマネジャー検定試験もその例に漏れません。
これが公式問題集だけで十分と述べた理由でもあります。
公式問題集は過去問6割、練習問題4割で構成されているので、過去問の勉強も可能です。
それでも初めて見る問題が3割はでてくる
さて、「公式問題集だけで十分」といった舌の根の乾かぬ内に「初めて見る問題が3割でる」というと、「十分じゃないじゃないか!」という声が聞こえてきそうです。
時事問題や最新のIT情報などが出題されることもあり、それらをすべてカバーすることは難しいでしょう。
そのため、しっかり勉強しても「3割は知らない問題がでてくるぞ」という覚悟はあらかじめしておいたほうがよいでしょう。
そして、この「知らない問題」についての対処法も今回はお話ししていきます。
合格点70点を稼ぐには
ビジネスマネジャー検定試験の合格点は70点です。かなりの精度で正解しなければならないといえるでしょう。
一方、先ほど述べたように3割程度は見知らぬ問題がでてきます。
そのため今回お伝えする勉強法では、過去問にもでてきたような7割の問題でできるだけ失点を減らし、初めて見たような問題でも半分程度は正解できるようにし、合格点70点を目指していきます。
まずは公式テキストを一読
前置きが長くなってしまいましたが、ビジネスマネジャー検定試験の勉強法についてみていきましょう。
まず何よりもはじめにしたいのは、公式テキストを一読することです。
はじめから公式問題集のみで勉強していってもよいのですが、さすがに知識0より問題集を解いた時の吸収率はよいでしょう。
一方、公式テキストだけで勉強するのも効率がよいとはいえません。
あくまで準備運動程度にとどめておくほうがよいでしょう。
公式問題集をひたすら解こう
公式テキストを一通り読んだら、あとはひたすら公式問題集を解いていきましょう。
よく問題集を「最後の力試し」程度に使用される方がいらっしゃいますが、時間のない中で効率よく合格を目指すのであれば、問題集で勉強することをおススメいたします。
とくに公式問題集が出版されているような検定試験では、この問題集を完璧にこなすだけでも危なげなく合格可能です。
ただし、ただ解くのではなく以下の点に注意して進めていきましょう。
100点になるまで解こう
問題集をただこなすだけでなく、この中だったらどんな問題が出題されても答えられるという状態に持っていきましょう。
問題集での勉強に慣れていない方だと、ついついできる問題ばかり手を付けてしまいますが、できる問題よりも苦手な問題に数多く当たることが大切です。
そのため、「2回正解だったら次からはスキップする」「2回間違えたらテキストを読み直し、ノートに内容をまとめる」などの緩急をつけていくことが大切です。
問題文・選択肢からも知らない単語を無くしていこう
どんな問題を出題されても正解できるという状態が近づいてきたら、同時並行して「問題文・選択肢にでてくる語句も答えられる」という状態を目指していきましょう。
公式問題集に出てくるということは、今後の試験本番でも問題として出題される可能性があります。
例えば、第5回ビジネスマネジャー検定試験の2-3の問題では以下の選択肢がでてきました。
- ①スリーパー効果
- ②ドミナント効果
- ③ザイオンス効果
答えは①のスリーパー効果なのですが、その他2つの効果についても答えられるようにしていきましょう。
知らない問題への対処のために「例の方法」「裏技」を学ぶ
問題集の中ならどんな問題でもOKという状態でも、上述の通り、本番の試験では初めて見る問題もでてくるでしょう。
そんな時にもできるだけ正解ができるよう、心の準備と対策を講じておくことが大切です。
「例の方法」「裏技」とは?
「例の方法」「裏技」はものすごく簡単に言うと「問題文なんか読まなくとも、選択肢から答えがわかる」というものです。
もちろん本当にそれでわかったとしても、問題文はできるだけ読むことをおススメします。
「例の方法」は大学受験の国語、「裏技」は公務員試験用に書かれたもので、直接ビジネスマネジャー検定試験に関係はありません。
基本的に考え方は似ていますので、近くの古本屋やAmazon・楽天でどちらか一方の本を手に入れられればよいでしょう。
重要なことは「選択肢を選ぶときに確認するポイント」というものを学ぶことです。
例えばこれらの本に書いてある、
- 消去法で考える(どの選択肢が正しいかではなく、正しくない選択肢を除外していく)
- 倫理的・常識的に問題がある選択肢は不正解
というのは他の資格試験でも役立つので、この際覚えてしまうことをおススメします。
常に常識で考えよう
「例の方法」や「裏技」にも書かれていることですが、倫理的・常識的に考えておかしい選択肢は誤った選択肢です。
例えば「6週間以内に出産予定の妊娠中のスタッフが産前休業を申請しても、繁忙期であれば拒否できる」という選択肢があればどうでしょう。
常識的に考えると子供の命に係わることなので、会社の都合で忙しくとも、当然休みの申請は受け入れられるべきです。
また、「法律は弱者の味方」ということも覚えておいたほうがよいでしょう。
法律系のドラマを見ていると、ついつい「法律はあくどい強者のものだ」と思いがちですが、それは法の網の目を突いた時であって、原則は弱い人間を助けるためにあります。
先ほどの例題でも「本当は妊婦さんを保護すべきなんだろうけど、法律は経営者の味方なんだろうな……」なんて考えず、「困っているのは妊婦さんとお腹の子なんだから、妊婦さんが優先されるべき!」と考えられるようにしましょう。
このように、もしわからない問題がでてきても、こうして選択肢を除去していくことが大切です。
粘って正答確率を上げることが大切
繰り返しになりますが、「例の方法」や「裏技」について話をしたのは、その手法を覚えて合格を目指そうというものではありません。
わからない問題にあたっても誤った選択肢を除外し、正答する確率を上げることが大切です。
わからない問題が30点分出題されたとしても、すべての問題で選択肢を2つにまで絞り込むことができたら、だいたい15点分の点数が期待されます。
過去問題でも出題されたような残り70点の部分で少し不正解があったとしても、わからない問題から点数が追加できれば合格点70点はクリアすることができるでしょう。
ビジネスマネジャー検定試験までの勉強スケジュール
余裕を持った3カ月コース
最後にビジネスマネジャー検定試験の準備にどの程度の勉強時間を見積もっていればよいのか考えていきましょう。
余裕をもって勉強するなら、3カ月程度を見ておけばよいでしょう。
1カ月目 | 公式テキストを読む |
2カ月目 | 公式問題集を開始。並行して「例の方法」「裏技」を一読。 |
3カ月目 | 試験日まで繰り返し問題集に取り組む |
簿記の資格や経営学検定を持っていれば2カ月程度で準備は可能
ビジネスマネジャー検定試験の出題範囲は広いですが、一方でこれまで部分的に勉強したこともあるかもしれません。
とくに日商簿記・ビジネス会計検定試験・経営学検定試験を受験した方はかなりアドバンテージがあります。
こうした方は公式テキストを読みながら、すぐに問題集に取り組み、知っている範囲と知らない範囲を明確にしておくとよいでしょう。
この場合、2カ月程度で準備は可能です。
1カ月目 | 公式テキストを読む。公式問題集を開始。 |
2カ月目 | 繰り返し問題集に取り組む。並行して「例の方法」「裏技」を一読。 |
1カ月でビジネスマネジャー検定試験合格は可能?
ビジネスマネジャー検定試験だけでなく、「○○に1カ月で合格可能」などの話はでてきますが、公式問題を上の方法で取り組むことによって可能性はないわけではないと思われます。
ただ、何分出題範囲が広いため、仕事をしながらの受験を考えればもう少し余裕をもったほうがよいでしょう。
さいごに
今回はビジネスマネジャー検定試験の勉強法についてみてきました。
ビジネスマネジャー検定試験はこれから昇進の尺度になることが予想されますが、歴史の浅い試験であるため、まだまだ難易度は高くない試験だとも言えます。
そのため、今の時期にビジネスマネジャー検定試験に取り組むのはチャンスであるといえます。
もしすぐに必要でなくとも、仕事をしていく中で知っておいて損はないことばかり学べるため、まだまだ簡単な時期に取得しておくのもよいかもしれませんね。