上司「自分で考えろ」→上司「勝手にやるな」の本当の意味
「自分で考えろ」と上司に言われたからやったのに、「何で勝手にやったんだ!」と怒られた経験はないですか?
確かに理不尽な場面ですが、もう少し上司の気持ちに寄り添ってみれば、また別の印象を受けるかもしれません。
今回は「自分で考えろ」と言われた時に「勝手にやるな」と怒られる理由を考えていきます。
今回の話は動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。
ネットで見かけるダメ上司のよくある発言の意味
ネット上でこのようなやり取りを見ることがあります。
上司「自分で考えなさい」
↓
部下「はい」
↓
・
・
・
↓
部下「できました」
↓
上司「勝手にやるな!」
↓
部下「??」
このやり取り、確かによく見る光景です。
「考える」≠「実行する」
「自分で考えろと言われたから自分でしたのに怒られるなんて…」とへこんでしまいますが、仕事においては「考える」と「実行する」というのはイコールではないということを知る必要もあると言えるでしょう。
特に知的労働やクリエイティブ系の仕事になると、「考える」と「実行する」の違いははっきりとしています。
例えばチラシ広告のデザインをする場合、「どのようなお客さんをターゲットとするか」「そのお客さんに好まれるような色使いは何か」などを考えずデザインをしてしまうと、まったく使えないデザイン案ができてしまいます。
そうなると時間が無駄になるばかりでなく、無駄にした時間に応じて労賃などのコストもかかってしまいます。
上司が望んでいる答え
このように仕事においては「考える」と「実行する」はまったくの別物です。それを踏まえて冒頭の会話を見直すと、上司は「考えろ」と言っているだけで、「実行しろ」とは言っていません。
それなのに部下が勝手に手を動かしてしまったのですから、「勝手にやるな」とつい口に出してしまったのでしょう。
「自分で考えろ」の本当の意味とは、「まずはどうしようと考えているのかを相談してほしい」という意味であり、「自分でやっといて」という意味ではありません。
それを踏まえて上司の立場で考えてみると、上司はこのような対応を望んでいたと考えられます。
上司「自分で考えなさい」
↓
部下「このプロジェクトはこのような対応をしようと考えています」
↓
上司「だいたいOKだけど、○○の部分は△△をするようにしよう」
↓
部下「わかりました」
このように、予め自分がどうしようと思っているのかを経験のある上司に相談することで、トラブルの原因を未然に防ぐことができ、結果的に時間の有効利用につながります。
さらに上司としては部下がどの程度の知識をもっているかを把握できるため、次からの仕事がやりやすくなるでしょう。
最後に
今回は「自分で考えろ」の本当の意味を考えていきました。
繰り返しになりますが、「自分で考えろ」とは「自分で考えてやっといて」ということでなく、「まずはどうしようと考えているのかを相談してほしい」という意味です。
仕事の上では「考える」と「実行する」は別物と認識し、上司との円滑なコミュニケーションを図っていくことが大切です。
この記事では上司の肩を持つような書き方になってしまいましたが、もちろん上司の言い方が悪いということも付け加えておかなければなりません。まだ仕事に慣れていない部下に対して「自分で考えろ」と言えば、勝手に作業を進めてしまうことは目に見えていますので、「作業の前にどのように進めようとしているか教えてほしい」「方向性に問題がなければ作業を進めよう」と加えておいたほうがよいでしょう。