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【PMBOK第8版】プロジェクト・フェーズと「関所(フェーズ・ゲート)」の役割を徹底解説

最新のPMBOK第8版学習シリーズ。今回は「Section 4.1 プロジェクト・フェーズ(Project Phases)」について掘り下げていきます。

前バージョンの第7版では、マインドセットなどの抽象的な概念が中心でしたが、第8版では「実際にどう区切って進めるか」という実務的な枠組みが再び整理されています。

プロジェクトという大きな塊をどう管理し、工程のつなぎ目で何をすべきなのか。現場視点での解説をお届けします。

目次
このサイトの運営者

山脇 弘成(SSAITS代表)

PMP®有資格者・Webプロジェクトマネージャー
大手メディアや官公庁のWebプロジェクト実績多数。
「技術」だけでなく「対話」を重視し、御社の「ほんとは、こうしたかった」を形にします。

プロジェクト・フェーズとは何か?

プロジェクト・フェーズとは、1つ以上の成果物を完成させるために、論理的に関連する活動をまとめた「段階」のことです。

この概念を理解するには、ウォーターフォール型のプロジェクトを想像するのが一番分かりやすいでしょう。例えば、業務アプリを開発する場合、以下のようなステップを踏んでいきます。

ウォーターフォール型の進行
  1. 要件定義: 何を作るか決める
  2. 設計: 図面を引く
  3. 開発: 実際に作る
  4. テスト: 正しく動くか確かめる

これら一つひとつが「フェーズ」です。各フェーズが終わるごとに、目に見える「成果物」が出来上がることで、プロジェクトは着実に前進していきます。

「関節」としてのフェーズ・ゲート(関所)

フェーズとフェーズの間には、「フェーズ・ゲート(Phase Gate)」と呼ばれるチェックポイントを設けます。「ゲート(関所)」という名前の通り、次の工程に進む前に「本当に準備は整っているか?」を判断する場所です。

【SSAITSの視点】


このフェーズ・ゲートは、プロジェクトにおける「関節」のような役割を果たします。

例えば「設計」から「開発」へ移る際、設計図をプログラマーに渡して「はい、よろしく」で終わることは稀です。
往々にして、「この図面の意図はどういうこと?」「この機能は今の技術では実装できない」といった調整が必要になります。こうしたフェーズ間の認識合わせや調整こそが、フェーズ・ゲートの実務的な正体です。

ここを「ただの書類承認」として素通りさせてしまうと、後になって致命的な手戻りが発生する原因となります。

時間とともに変化する「3つの特性」

時間とともに変化する「3つの特性」

プロジェクトが進行し、フェーズが変わっていくにつれて、プロジェクトを取り巻く状況も変化します。PMBOK第8版では、特に以下の3つの変数の変化に注目しています。

1. コストと要員(Cost and staffing)

最初は少人数でスタートし、実行フェーズ(開発など)でピークを迎え、終わる頃には急速に減っていく「山なり」の形を描きます。

2. リスクと不確実性(Risk and uncertainty)

開始時が最も高く、フェーズが進んで不明点が解消される(決まったことが増える)につれて、右肩下がりに減少していきます。

3. 変更の影響力(Stakeholder influence on change)

「やっぱりここを変えたい」という要望を通せる力は、初期が最も高いです。後半になるほど、すでに出来上がっているものが多いため、変更のためのコストや時間が膨大になり、影響力は低下していきます。

まとめ:早期の調整が成功の鍵

今回の学習ポイントをまとめると以下の通りです。

  • フェーズ: 仕事を論理的に区切った単位。
  • フェーズ・ゲート: 次に進むための「関所」であり、工程間の「関節(調整)」の場。
  • 特性の変化: 後半になるほどリスクは下がるが、変更のためのコストは跳ね上がる。

「設計フェーズの終わりに、開発チームとしっかりゲートでの調整を行っておく」。
この当たり前だけれど忘れがちな「関節のメンテナンス」が、プロジェクト全体をスムーズに動かすための極意です。

次は、プロジェクトの性格を決める「開発アプローチ」について学んでいきましょう!

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