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【PMBOK第8版】12から6へ!成功を導く「6つの原則」と現場で直面する理想と現実

最新のPMBOK第8版では、プロジェクトを成功に導くための考え方がよりシンプル、かつ強力に整理されました。

前バージョンの第7版では「12の原則」がありましたが、第8版ではこれらが重複なく整理・統合され、「6つの原則」となりました。

さらに興味深いのは、これら6つの原則が単なる「ルール」ではなく、プロマネが持つべき「マインドセット(考え方・姿勢)」の土台として位置づけられたことです。今回は、この新しい6つの原則と、現場視点での「理想と現実」について解説します。

目次
このサイトの運営者

山脇 弘成(SSAITS代表)

PMP®有資格者・Webプロジェクトマネージャー
大手メディアや官公庁のWebプロジェクト実績多数。
「技術」だけでなく「対話」を重視し、御社の「ほんとは、こうしたかった」を形にします。

プロマネの「羅針盤」となる3つの次元と6つの原則

プロマネの「羅針盤」となる3つの次元と6つの原則

第8版では、マインドセットを3つの次元に分け、それぞれに2つずつの原則を紐づけています。

1. Proactive(プロアクティブ:先回りして動く)

課題を予測し、システム全体を俯瞰して迅速に対処する姿勢です。

  • 原則① 全体的な視点を取り入れる(Adopt a Holistic View):
    プロジェクトを単独の作業の集まりではなく、より大きな組織や社会という「システムの一部」として捉えます。
  • 原則② プロセスと成果物に品質を組み込む(Embed Quality Into Processes and Deliverables):
    「作ってから検査する」のではなく、作る手順そのものに品質を高める工夫を組み込み、無駄を排除します。

2. Ownership(オーナーシップ:当事者意識を持つ)

自らがリーダーとして責任を持ち、チームの力を引き出す姿勢です。

  • 原則③ 説明責任を果たすリーダーになる(Be an Accountable Leader):
    役職に関わらず、自らの決定に責任を持ち、状況に応じてスタイルを変える柔軟なリーダーシップを指します。
  • 原則④ エンパワーされた文化を構築する(Build an Empowered Culture):
    チームが自律的に意思決定できる(権限を与えられた)環境を作り、相互信頼と相乗効果を生み出します。

3. Value-driven(価値主導:価値の提供に集中する)

単なる「モノ作り」ではなく、「価値」を生むことに全力を注ぐ姿勢です。

  • 原則⑤ 価値に焦点を当てる(Focus on Value):
    プロジェクトの成功は、成果物の完成ではなく、それがもたらす「成果(売上や満足度)」で測られるべきだという考え方です。
  • 原則⑥ サステナビリティを統合する(Integrate Sustainability Within All Project Areas):
    第8版を象徴する原則です。環境・社会・経済(トリプルボトムライン)への影響を考慮し、持続可能な戦略を全てのフェーズに組み込みます。

「価値への焦点」の理想と現実

「価値への焦点」の理想と現実

今回のアップデートで最も画期的なのは、「QCD(品質・予算・納期)を守ること」から「価値を高めること」へと、プロマネの主眼がシフトした点でしょう。

しかし、ここで現場のプロマネとして直面するのが、「理想(価値の最大化)」と「現実(権限の壁)」のギャップです。

プロジェクトの現場では、往々にしてプロマネとスポンサー(オーナー)の距離が遠いものです。現場が「価値を高めるために、仕様をこう変えたほうがいい」と気づいても、それを具申する機会がなかったり、経営判断の権限がプロマネになかったりすることは珍しくありません。

「価値に集中せよ」というマインドは素晴らしいものですが、権限を超えた提案は時に組織の壁に阻まれます。そのため、私たちは以下のバランスを忘れてはいけません。

  1. 理想: 常に「価値」を最大化するための議論を諦めない
  2. 現実: 与えられた権限の中で、まずは「QCD」を確実に守り切る

「価値への集中」ができる組織文化を育てることは理想ですが、現場のプロマネにとっては、「QCDという最低限の約束を守る」ことが、価値について提案するための「信頼のチケット」になるという側面もあるからです。

まとめ

PMBOK第8版の6つの原則は、私たちがプロジェクトという荒波を航海するための「羅針盤」です。

  1. プロアクティブに先を読み
  2. オーナーシップを持ってチームを動かし
  3. 価値主導で成果を目指す

特に「サステナビリティ(持続可能性)」や「価値への集中」という新しい視点は、これからの時代に不可欠な要素です。理想を掲げつつ、現実のQCD管理も疎かにしない。そんな「地に足のついた価値主導のマネジメント」こそが、今求められているのではないでしょうか。

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