『ドリルを売るには穴を売れ』に学ぶ「マーケティング脳」の鍛え方|究極のN1分析は“私”にある

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[画像:ドリルを売るには穴を売れ]

マーケティングの入門書として名高い『ドリルを売るには穴を売れ』(著:佐藤義典)。
物語形式でマーケティングの基礎が学べる本書には、マーケターにとって役立つ本質的な知識が詰め込まれています。

今回は、本書の冒頭で紹介されている「マーケティング脳」という概念と、その鍛え方について解説します。
さらに、この鍛え方を現代のマーケティング手法である「N1分析」や「SEO対策」にどう応用できるか、私自身の実践例も交えてご紹介します。

目次

「マーケティング脳」とは何か?

本書の中で、著者の佐藤義典さんは「マーケティング脳」を次のように定義しています[1]佐藤義典『ドリルを売るには穴を売れ』青春出版社、2006年、14頁。

マーケティング的な思考・発想ができること

一見当たり前のようですが、常に顧客視点に立ち、売れる仕組みを考え続ける思考回路を持つことは簡単ではありません。では、どうすればこの脳を鍛えることができるのでしょうか。

日常でできる「マーケティング脳」の鍛え方

佐藤さんが提唱するトレーニング方法は、非常にシンプルかつ実践的です。

それは、何かを買ったとき、あるいは買わなかったときに、「なぜ?」を自問自答することです。

マーケティング脳の鍛え方
  • なぜ、この商品を買ったのか?
  • なぜ、隣の商品ではなく「これ」を選んだのか?
  • なぜ、この店で買ったのか?

私たちは普段、無意識のうちに数多くの購買意思決定を行っています。

[画像:男の人が、自宅のポストに投函されたチラシを手に取っている様子。]
「なぜこのチラシは見てしまうのだろう?」「なぜこのチラシは捨ててしまったのだろう?」こうした問いが大切

例えば、ポストに入っていたチラシ。ある時はまじまじと内容を眺め、ある時はろくに読みもせずくしゃくしゃに丸めて捨ててしまうことがあります。

「なぜ今回は読んだのか?」「なぜ今回は捨てたのか?」
その無意識の行動を振り返り、言語化することこそが、マーケティング脳の鍛錬になります。

自分自身を「N1分析」する

マーケティングの手法に「N1分析」があります。
これは、平均的な顧客像(ペルソナ)ではなく、実在するたった一人(N=1)の顧客を徹底的に分析することで、深層心理や真のニーズを掘り起こす手法です。

N1分析について詳しくは

N1分析については下記の記事で解説していますので、よろしければご参照ください。

『ドリルを売るには穴を売れ』で紹介されているトレーニングは、いうなれば「一番身近なN1」である「私(自分自身)」を徹底的に分析することだと言えます。

自分という顧客が、どのような心理で財布を開いたのか。そのプロセスを追及することで、マーケティングの活路が開けてくるのです。

実践:AI全盛期における「検索行動」の自己分析

この「私」を追及する手法は、マーケティングのみならず、ブログやオウンドメディアのSEO(検索流入)対策を考える上でも非常に有効です。

最近では、知りたいことがあれば Google 検索ではなく、ChatGPT や Gemini などの生成AIに質問する機会が増えてきました。
しかし、「あえてネット検索をする瞬間」というのも確実に存在します。

私は、自分が「AIではなく検索を選んだ瞬間」に、そのキーワードと理由をメモするようにしています。

なぜあえて「検索」したのか?をメモする

私の「N1分析」の結果、以下のような使い分けが見えてきました。

AIではなくネット検索を選ぶ瞬間
  • お店の営業時間を知りたい時
    • 行動: ネット検索(Googleマップなど)を利用する。
    • 理由: AIの情報は古い可能性があるため、公式サイトや最新情報を直接確認できるネット検索の方が信頼性が高い。
  • プログラミング(特定のフレームワーク)の仕様を知りたい時
    • 行動: 公式ドキュメントや技術ブログを検索する。
    • 理由: 一般的な JavaScript の書き方なら AI が得意だが、特定のフレームワークの細かい仕様や最新のエラー対処法については、AIが誤った回答(ハルシネーション)をすることが多いため、検索の方が確実。

このように、「なぜ自分は今、AIを使わずに検索窓に文字を打ち込んだのか?」を深掘りすることで、「AI時代でも検索需要が残るキーワード(=SEOで狙うべき領域)」が見えてきます。

まとめ

マーケティング脳を鍛えるために、特別な道具や環境は必要ありません。
日々の買い物や、何気ないネット検索の行動一つひとつが、最高の教材になります。

「なぜ私はこれを選んだのか?」

その無意識の意思決定を振り返り、自分自身のN1分析を続けることで、マーケティングの知識はより実践的なものへとブラッシュアップされていくはずです。

1 佐藤義典『ドリルを売るには穴を売れ』青春出版社、2006年、14頁。
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