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【マクドナルド理論】会議の沈黙を破る!「最低のアイデア」が隠れた要件を引き出す理由

【マクドナルド理論】会議の沈黙を破る!「最低のアイデア」が隠れた要件を引き出す理由

複数人でランチに行くとき、「どこで食べる?」と聞かれて「どこでもいいよ」と全員が遠慮し合い、なかなかお店が決まらない……。そんな気まずい沈黙を経験したことはありませんか?

そんな時に、会議やブレインストーミングを劇的に活性化させるテクニックがあります。それが今回紹介する「マクドナルド理論」です。

目次
このサイトの運営者

山脇 弘成(SSAITS代表)

PMP®有資格者・Webプロジェクトマネージャー
大手メディアや官公庁のWebプロジェクト実績多数。
「技術」だけでなく「対話」を重視し、御社の「ほんとは、こうしたかった」を形にします。

マクドナルド理論とは?

マクドナルド理論は、ニュージーランドのデザイナーであるジョン・ベル(Jon Bell)氏によって提唱されたアイデア出しの手法です。

なかなかランチの場所が決まらない時、あえて「じゃあ、マクドナルドにしよう」と提案してみます。
すると、それまで沈黙していたメンバーから「いつも行っているから嫌だ」「マクドナルドはちょっと……」と反発の声が上がり、結果として「じゃあ、あそこのパスタ屋はどう?」「新しくできた定食屋に行ってみよう」と、代わりのアイデアが次々と飛び出してくるようになるという現象に基づいています。

この理論の基本的な考え方は、「行き詰まったら、まず思いつく限り最低のアイデアをあえて出してみる」というものです。

「最低のアイデア」ではなく「最小限の機能」である

提唱者のベル氏はこれを「最低のアイデア」と表現しましたが、ビジネスやプロジェクトマネジメントの視点で考えると、マクドナルドに少し失礼かもしれません。

むしろこれは、「最低のアイデア」というより「最小限の要件(機能)を満たしたアイデア(MVP)」と言い換えたほうが本質的です。

「みんなで食事に行く」という目的において、マクドナルドは機能として十分すぎるほど要件を満たしています。

  • 複数人が座れる広い席がある
  • お値段が手頃である
  • 注文後すぐに提供され、待ちぼうけを食らうことが少ない

このように、機能的には完璧なはずの「マクドナルド」を提案して、それでも「え〜、マクドナルドはちょっと……」という不満が出るのであれば、それはメンバーが「何かの機能(あるいは感覚的な部分である『非機能要件』)が足りない」と感じている証拠なのです。

「マックはちょっと…」が隠れた要件を引き出す

「マックはちょっと…」が隠れた要件を引き出す

「マクドナルド以外の場所がいい」という反発を深掘りしていくと、メンバーの頭の中に隠れていた本当の希望(要件)が見えてきます。

  • 「もっと落ち着いて話せる場所がいい」(=静かな環境、個室の要望)
  • 「せっかく出張で来たのだから、その土地ならではのものが食べたい」(=体験価値の要望)
  • 「金曜日の夜だし、お酒が飲める場所がいい」(=メニューの拡張要望)

何もない白紙の状態から「どんな機能が欲しいですか?」と聞かれても、人はなかなか答えられません。
しかし、マクドナルドという「具体的で最小限のベースライン(たたき台)」を提示することで、話し合いがグッと明確になり、隠れた要件を引き出すことができるのです。

あえて「アホっぽいこと」を言う勇気

ビジネスの現場、特にアイデア出しのワークショップや要件定義の会議において、このマクドナルド理論は絶大な効果を発揮します。

会議の序盤で、一番優秀な人や声の大きい人が真っ先に「完璧でカッコいいアイデア」を出してしまうと、他の参加者は「それ以上のことを言わなければ……」とプレッシャーを感じ、発言の心理的ハードルが一気に上がってしまいます。これでは「みんなの対話」ではなくなってしまいます。

ファシリテーターやリーダーは、沈黙が続いた時こそ、あえて「ちょいアホっぽいこと(極端にシンプルな案)」を発言する勇気を持つことが大切です。
「そんな単純な方法じゃダメですよ!なぜなら……」とメンバーが意見をぶつけやすくなり、活発に「共創する場」を生み出すことができます。

まとめ

マクドナルド社には少し酷なネーミングの理論ですが、人間の心理と要件定義の本質を見事に突いた素晴らしいフレームワークです。

プロジェクトの会議が硬直したり、顧客からの要望がうまく引き出せなかったりした時は、ぜひ心の中で「マクドナルド理論」を唱え、あえて「たたき台となる極端なアイデア」を投げてみてください。きっと、思いもよらない活発な議論がスタートするはずです。

参考

書籍

  • 宮本道人『古びた未来をどう壊す? 世界を書き換える「ストーリー」のつくり方とつかい方』光文社、2023年

Webページ

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