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【PMBOK第8版】ガバナンスの「テーラリング」とは?PMOの重要性と3つの考慮事項

PMBOK第8版のガバナンス・パフォーマンス領域を読み解くシリーズ。今回は、これまで学んできたガバナンスの仕組みを実際のプロジェクト環境にどう合わせていくかという「2.1.7 テーラリングの考慮事項(Tailoring Considerations)」について解説します[1]Project Management Institute, Inc., The Standard for Project Management and A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Eighth Edition, 第2部 … Continue reading

プロジェクト・ガバナンスは、「どんなプロジェクトでも、マニュアル通り同じやり方をすればいい」というものではありません。
価値を生み出す効果的なガバナンスを構築するためには、業界の特性、規制、組織構造、そしてそのプロジェクト独自の文脈(コンテキスト)に合わせてルールやプロセスを最適化する「テーラリング(個別調整)」が不可欠です。

このテーラリングは、主にプロジェクトやフェーズの立ち上げ段階で行われますが、プロジェクトの進行に合わせて反復的に見直されていきます。

目次
このサイトの運営者

山脇 弘成(SSAITS代表)

PMP®有資格者・Webプロジェクトマネージャー
大手メディアや官公庁のWebプロジェクト実績多数。
「技術」だけでなく「対話」を重視し、御社の「ほんとは、こうしたかった」を形にします。

テーラリングの「3つの考慮事項」

PMBOK第8版では、ガバナンスをテーラリングする際に以下の3つの事項を考慮すべきとしています。

組織のガバナンス(Organizational governance)

プロジェクト単体を見るのではなく、「より大きな組織全体の中でどう位置づけられるか」を理解します。コントロール・ボード(委員会)やステークホルダーを特定し、ステータスの報告ルールや、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)をどう関与させるかなどを決定します。

ガイド付きの自己ガバナンス(Guided self-governance)

アジャイルなどの適応型プロジェクトでは、重厚な官僚主義や上からの監視を避け、明確な境界線(ガードレール)の中でチームが自律的に意思決定を行う「自己ガバナンス」が採用されます。デイリー・コーディネーション・ミーティング(朝会など)を通じてチーム内で方向性を合わせることは、この自己ガバナンスを機能させる仕組みの一つです。

プロジェクト・ライフサイクルの適応(Project life cycle adaptations)

採用するアプローチによってガバナンスの「重さ」を調整します。

  • アジャイル/リーン環境: プロジェクトの成果物やイベントの中にガバナンスが組み込まれるため、軽く(ライトウェイトに)なります。
  • 予測型環境: 内部・外部の制約により、より重く厳格なガバナンスが求められることが多くなります。

文脈で変わるテーラリングの「3つの具体例」

では、実際のプロジェクト文脈に合わせてガバナンスの形がどう変わるのでしょうか。PMBOKでは3つのシナリオが例示されています。

3つのシナリオ
  • 例1(PMOの有無による違い): 大規模組織ではPMOと連携して戦略的なガバナンスを構築しますが、PMOが存在しない小規模組織では、プロジェクトマネージャーが他のリーダーと直接協力して独自のガバナンスを決定します。
  • 例2(迅速なイノベーションが求められる場合): 変化の激しいプロジェクトでは、承認委員会などの外部ガバナンス組織を設けず、チーム自身が品質を管理する「完全な自己ガバナンス(アジャイル)」を採用します。
  • 例3(大規模な多国籍プロジェクトの場合): 複数の国や機関の規制・コンプライアンスを満たすため、プログラムやポートフォリオレベルでの「非常に厳格で統合されたガバナンス」を構築します。

【SSAITSの視点】PMOの重要性と導入の壁

今回の内容で特に実務的なポイントとなるのが、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の存在です。

PMOとは、組織内のさまざまなプロジェクトを横断的に監視し、標準化やアドバイスを行う専門部署のことです。
複数のプロジェクトが同時に走っていると、優秀な人材や予算といった「リソースの取り合い」が必ず発生します。PMOが存在すると、このプロジェクト間の摩擦を軽減し、組織全体として最適なテーラリングが非常にやりやすくなります。

しかし、PMBOK第8版の例1でも言及されている通り、中小規模の企業では「専任のPMOを設置する余裕がない」というのが現実です。
リソースやノウハウの不足からPMOが不在のままプロジェクトが乱立し、結果としてガバナンスが崩壊して炎上してしまうケースが後を絶ちません。

PMOの立ち上げ・運用でお悩みならSSAITSへ

もし皆様の組織が「予測型(ウォーターフォール)」を中心としたプロジェクトを展開しているのであれば、行き当たりばったりのアジャイル開発よりも、プロセスを標準化するPMOを設置しやすく、組織全体のプロジェクト成功率を劇的に高めることが可能です。

「自社に合ったPMOをどう立ち上げればいいかわからない」
「ガバナンスのルール作り(テーラリング)を専門家にサポートしてほしい」

そのようなお悩みがありましたら、ぜひPromapediaを運営するSSAITS(サイツ)にご相談ください。PMP®有資格者であり、多数のプロジェクトマネジメント実績を持つ代表の山脇が、御社の組織規模やプロジェクトの特性に合わせた「最適なガバナンスのテーラリング」を直接サポートいたします。

まずは、以下のボタンよりお気軽にお問い合わせください。

1 Project Management Institute, Inc., The Standard for Project Management and A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Eighth Edition, 第2部 セクション2.1.7(33-35頁)より筆者要約・翻訳。以下、PMBOK第8版(英語版)と略記。
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