
セルフプロデュースの名著『SHOW YOUR WORK!』の著者であるオースティン・クレオンは、同書の中で「吸血鬼テスト」という面白いテストを紹介しています。
クリエイターであれ会社員であれ、仕事をしていく上で人間関係の悩みは尽きないものです。「なんだかあの人と話すと、いつもどっと疲れるな……」と感じることはありませんか?
今回はこの「吸血鬼テスト」を通じて、クリエイターの人間関係について考えていきましょう。
ピカソは吸血鬼!?
このテストの由来は、美術史家ジョン・リチャードソンの伝記『ピカソの生涯』に登場するエピソードに遡ります。
パブロ・ピカソは、出会った人々からエネルギーを絵の具のチューブを絞るように吸い尽くしてしまうことで有名でした。一緒に楽しい時間を過ごした人は神経がすり減ってクタクタになる一方で、ピカソはスタジオに戻ると、吸い取ったエネルギーを使って一晩中絵を描きまくったそうです。
ほとんどの人がこの吸血鬼のような振る舞いに耐えましたが、ルーマニア出身の彫刻家コンスタンティン・ブランクーシは違いました。彼は一目でピカソが吸血鬼であることを見抜き、自分のエネルギーや成果を搾り取られるのを嫌がって、ピカソとの交流をいっさい拒んだのです。
オースティン・クレオンは、このブランクーシが実践した「誰を自分の人生に迎え入れるかを判断する方法」を、「吸血鬼テスト」と呼んで紹介しています。
吸血鬼テストの実践方法
吸血鬼テストのやり方はいたってシンプルです。
- 誰かと一緒に過ごしたあと、疲れ果てたとか精気を吸い取られたと感じますか?
答えが「Yes」なら、残念ながらその人はあなたにとって吸血鬼です。逆に、誰かと過ごしたあともまだエネルギーがたっぷりと残っていると感じるなら、その人は吸血鬼ではありません。
このテストは人間に限らず、仕事、趣味、場所などに対しても使えるとされています。
もし目の前に吸血鬼がいると気づいたらどうすべきか?ブランクーシがピカソを避けたのと同様に、あなたの人生から永久に追い出すべきだと著者は語っています。クリエイターにとって、創作に向かうための「エネルギー」は何よりも守るべき資産だからです。
あくまでフリーでこそできること
とはいえ、これは「人間関係を自分で選べるフリーランス」だからこそ簡単にできるアプローチでもあります。
会社や組織に属している人は、同じチームや部署に吸血鬼がいても、明日から完全に縁を切るというわけにはいきません。抗う術がないことがほとんどでしょう。
しかし、組織の人間関係であっても、それが一生続くわけではありません。異動やプロジェクトの終了など、環境は必ず変化します。
もしあなたが今の会社や組織の仕事自体は好きなのに、身近に吸血鬼がいるというだけで転職してしまうのは、非常にもったいないことです。
組織自体が嫌いでない場合は、一人で抱え込まず、人間関係の問題をできるだけ周囲の上司や同僚、あるいは人事に相談したほうがよいでしょう。吸血鬼から物理的な距離を置くための、何らかの配慮が得られるかもしれません。
あなたの貴重なエネルギーを奪う「吸血鬼」が身近にいないか、ぜひ一度このシンプルなテストで人間関係を見つめなおしてみてください。

