Promapediaでは、プロジェクトマネジメント初心者に向けて『RPGで学ぶプロマネ』という連載コンテンツを投稿しています。今回はその補論として、「もしプロジェクトマネジメントがゲームだったら?」という視点から、そのプレイ画面(UI)をチュートリアル形式で解説していきます。
プロジェクトマネジメントをゲームでたとえるなら、どんなイメージをもっていますか?目標に向かって突き進む、アクションゲームのように考える人もいます。
しかし、実際のプロマネのプレイ画面はアクションゲームではありません。どちらかというと、「限られた資源(お金と時間)を使い、関係者の機嫌を取りながら目標を達成するシミュレーションゲーム」に近いのです。
それでは、プロジェクトマネージャー(PM)が日々見ている「脳内ダッシュボード」を覗いてみましょう!

最初は「真っ白な状態」からスタートする

一般的なRPGやシミュレーションゲームとは異なり、プロジェクトマネジメントのゲーム画面は、開始直後は「真っ白な状態」からスタートします。
最初から親切に「クエスト一覧(やることリスト)」が用意されているわけではありません。このUI画面に必要な情報を自ら集め、各項目を埋めていくこと自体がプロジェクトの始まりであり、PMの最初の重要なクエストなのです。
絶対死守のHUD(画面上部):QCDとフェーズ

画面の上部に表示されるのは、プロジェクトの「命綱」となる基本情報です。
🎯 目標(魔王討伐)
プロジェクトの最終ゴールです。王様のような権力者(スポンサー)があらかじめ決めていることもあれば、PMが「何のためにやるのか」という目標を定義するところから始めることもあります。今回は「魔王討伐」という目標が決まっているプロジェクトを想定します。
⏳ 残り日数(80日)
プロジェクトの期限(納期)です。ここまでに目標を達成し、プロジェクトを終わらせなければゲームオーバーです。本来は計画を立ててから決めるべきものですが、現実には「目標もやり方も決まっていないのに、期限だけは先に決まっている」という理不尽なハードモードから始まることも多々あります。
💰 予算(10,000G)
プロジェクトで使えるお金です。多くの場合、一度決まった予算は後から増えません。この限られた予算内でいかにやりくりするかがPMの手腕の見せ所です。
⏩ 現在のフェーズ(実行など)
ウォーターフォール開発では、原則として「立ち上げ > 計画 > 実行 > 終結」という流れでフェーズ(工程)が進んでいきます。
【重要】 一度次のフェーズに入ると、前のフェーズに戻るのは困難です。無理に戻そうとすると、スケジュール遅延やコスト超過など、甚大なペナルティが課されます。
実行と記録(画面右側):クエストとログ

クエストとログは、プロジェクトの状況に応じて千変万化します。
📌 クエスト(タスク一覧)
プロジェクトでこなしていく作業のリストです。このクエストを全て完了させれば、目標が達成されてプロジェクトは終結する……はずです。
注意すべきは、このクエスト一覧もPM自身が音頭をとって作成しなければならないということです(これをプロジェクトマネジメント用語でWBSと呼びます)。
📜 ログ(日々の連絡・履歴)
会議や活動報告など、プロジェクトの活動履歴です。システムが自動で集積するものもあれば、PMが意図して書き残さなければならないものもあります。
重要なログをチームに共有したり、「議事録」としてしっかりまとめたりすることが、後々のトラブル(言った・言わないの魔法)を防ぐ最強の盾になります。
アクション(画面左下):プレイヤーのコマンド

PMがプロジェクトを動かすために切ることができる「行動カード(コマンド)」です。(※各コマンドの詳細は、連載の中でじっくり解説します)
✊ 人材
誰をどのクエストに割り当てるか。スキルがミスマッチだと日数が余計にかかってしまいます。
🗝️ 道具
過去の類似プロジェクトのノウハウ、テンプレート、ツールなどの「プロジェクト資産(OPA)」です。これらを駆使して効率を上げます。
👑 ステークホルダー
中央ボードにいるキーマンたちと「交渉」や「報告」を行うコマンドです。
画面中央(監視):状況確認ダッシュボード

PMは自席に座って画面を眺めているだけではゲームをクリアできません。さまざまな場所へ足を運び、数値を分析し、状況を「監視(モニタリング)」し続ける必要があります。
とくに、「現場チームの状況(品質要求が高すぎて疲弊していないか)」や「ステークホルダーの動向(王様の期待値、財務卿のコストへの不満、民の反乱リスク)」には細心の注意が必要です。
この中央画面に不穏なアイコン(⚠️マークなど)が表示されたら、すぐさま左下のアクションコマンドを使って火消しに向かわなければなりません。
まとめ:プロマネの仕事とは?
プロジェクトマネージャーの仕事とは、自ら剣を振るって最前線で戦うことではありません。
真っ白な画面に情報を埋め、右側の「クエスト」を進めながら、常に上部の「目標・予算・期限(QCD)」を睨む。そして、左下のアクションを駆使して、中央の「チームとステークホルダー」の状況を健全に保ち続けること。
これこそが、プロジェクトマネジメントというゲームです。

