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アーリーアダプターはどうやって見つけるのか?|「オタク」「マニア」「ギーク」がいる市場こそねらい目

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このサイトの運営者

山脇 弘成(SSAITS代表)

PMP®有資格者・Webプロジェクトマネージャー
大手メディアや官公庁のWebプロジェクト実績多数。
「技術」だけでなく「対話」を重視し、御社の「ほんとは、こうしたかった」を形にします。

起業のキーであるアーリーアダプター

イノベーションの普及プロセスの画像
イノベーションの普及プロセス(画像はWikipediaより)

起業や新製品開発では、アーリーアダプター(early adopter)を獲得することが大切であると言われています。

アーリーアダプターとは、新しい製品や技術が市場に登場した際に、他の人々よりも早い段階でそれを取り入れる人々のことを指します。

イノベーションが普及する過程を示す「イノベーター理論」において、アーリーアダプターはイノベーター(初期採用者)に続く2番目の層に位置付けられ、全体の13.5%を占めるとされています。

アーリーアダプターは新しいものへの関心が強く、周囲の人々に製品や技術の価値や使い方を伝える役割も果たします。
そのため、企業にとっては貴重なフィードバックを得られる存在であり、口コミやレビューによって製品が広まるきっかけを作る重要な顧客層でもあります。

しかし、このアーリーアダプターを自身の製品・サービスの顧客にするにはどうすればよいのでしょうか?

オタクのいる市場を狙う

「紫の牛」を売れ!

マーケターのセス・ゴーディンは著書『「紫の牛」を売れ!』の中で、アーリーアダプターを探すためには「オタクのいる市場」を狙うことが大切だと述べています[1]セス・ゴーディン(著)、門田美鈴(訳)『「紫の牛」を売れ!』ダイヤモンド社、2004年、105~107頁。

世の中には「○○オタク」「○○フリークス」と呼ばれる人たちがいます。
たとえば「ラーメンオタク」「ラーメンフリークス」と呼ばれる人たちは、新しいラーメン屋がオープンすれば、労を惜しまず新しい味を試してみようとします。

こうした顧客は口コミやレビューで積極的に情報を発信するため、製品やサービスの認知度拡大に貢献してくれます。

このような「オタク」「フリークス」と呼ばれる人たちこそ、イノベーター理論でアーリーアダプターになりうる存在です。
そしてこのような人たちはあらゆるジャンルに存在します。
たとえば「激辛オタク」であったり、「SFオタク」であったりと、枚挙にいとまがありません。

「オタク」「マニア」をうならせた製品・サービスの例

【事例1】RAZER|まさしく「オタク」を狙った製品

「オタク市場」を地で狙って成功した代表的な例が、ゲーミングデバイスメーカーのRAZER(レイザー)です。

PC用のマウスやキーボードは、一般向けであれば数千円で無難なデザインのものがいくらでも買えます。しかしRAZERは、そうした大衆市場には目もくれず、ひたすらに「ゲーム好き(ギーク・フリークス)」にターゲットを絞りました。

黒を基調としたボディに、毒々しくもスタイリッシュなネオングリーンのロゴ。そして虹色に光るキーボード。
これらは一般のオフィスワーカーには敬遠されるデザインかもしれませんが、ゲームに熱狂するコアな層には「これこそがカッコいい!」と強烈に刺さりました。

結果として、彼らはゲーマーというアーリーアダプターの心を掴み、ゲーミングデバイスという市場そのものを牽引するブランドへと成長し、一気に市場浸透を実現させたのです。

【事例2】みてね|子育ての「熱狂」を取り込んだサービス

「オタク」というのは、アニメやゲームに限った話ではありません。「自分自身のことよりも優先して、強い関心と熱量を持てる対象」と考えれば、「子育て」もまた一つの巨大な熱狂市場と言えます。

ミクシィが運営する家族向け写真・動画共有アプリ「みてね」は、この熱をうまく取り込んで大成功しました。

子育てをしていると「子どもの成長を毎日写真に残したい!」という強い欲求(熱狂)が生まれます。しかし、スマホの容量はすぐに限界を迎え、かといって誰が見ているか分からないオープンなSNSに子どもの顔を投稿するのは不安です。
「みてね」は、この「熱狂」と「課題」の交差点に目をつけました。「家族間(祖父母など)だけで安全に、しかも無制限で共有できる」という価値を提供することで、親たちの熱量をそのままサービスの推進力に変え、写真共有アプリとして圧倒的な人気を得るに至ったのです。

「オタク市場」を探すには?|ハッシュタグを活用しよう

このように、特定のテーマに対して熱狂的なファンを持つ市場(ニッチな市場)を見つけると、自分たちの製品やサービスを喜んで受け入れてくれるアーリーアダプターを見つけやすくなります。

しかし、そうした「オタク市場」はどのようにして見つければよいのでしょうか?
最も身近で有効なヒントとなるのが、SNSの活用です。

X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでは、投稿にハッシュタグ(#)をつけることで、特定のテーマに強い関心を持つ人たちに情報を届けることができます。ハッシュタグは、言ば「オタクたちが集まるデジタルな集会所」です。

日々の情報発信の中で、さまざまなハッシュタグをつけてテストをしてみてください。

  • 「#犬連れOK」
  • 「#読了」
  • 「#ゲーム制作」
  • 「#Webデザイン勉強中」

色々と試していくうちに、「あれ? このタグをつけた時だけ、いつもと違ってインプレッション(表示回数)や『いいね』の反応が異常に良いぞ?」という手ごたえを感じる瞬間が必ず出てくるはずです。

その「反応が良かったハッシュタグ」こそが、あなたの製品・サービス、あるいはあなた自身の発信を待っている「オタク市場」なのかもしれません。

まとめ

今回はアーリーアダプターと「オタク市場」について考えていきました。

こうした「オタク」「フリークス」のいる市場に製品やサービスを投入することにより、アーリーアダプターを獲得することができます。
そのため、新製品・新サービスを考える際は「私たちはどのようなオタク(フリークス)に喜んでもらえるのか?」を考えるとよいでしょう。

1 セス・ゴーディン(著)、門田美鈴(訳)『「紫の牛」を売れ!』ダイヤモンド社、2004年、105~107頁。
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