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人を惹きつける「変化」の法則。ダン・ハーモンの「ストーリー・サークル」で自分の魅力を語る方法

「自分のプロフィールを書くのが苦手」
「ただの職歴の羅列になってしまい、いまいち魅力が伝わらない」

フリーランスやクリエイターとして活動する中で、そんなふうに悩んだことはありませんか?
自分を売り込もうとするとき、単なる「実績の箇条書き」だけでは、なかなか人の心は動きません。相手を惹きつけ、「この人と仕事がしたい」と思わせるために必要なのは、あなた自身の「物語(ストーリー)」です。

そこで今回は、自分自身の「成長ストーリー」を魅力的に語るためのとてつもなく強力なフレームワーク、「ダン・ハーモンのストーリー・サークル(Dan Harmon’s Story Circle)」をご紹介します。

クリエイターのバイブルとも言える名著『クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! “君がつくり上げるもの”を世界に知ってもらうために』の中でも紹介されているこの法則を使って、共感を呼ぶプロフィールの作り方を解説します[1]オースティン・クレオン(著)、千葉敏生(訳)『クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! … Continue reading

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このサイトの運営者

山脇 弘成(SSAITS代表)

PMP®有資格者・Webプロジェクトマネージャー
大手メディアや官公庁のWebプロジェクト実績多数。
「技術」だけでなく「対話」を重視し、御社の「ほんとは、こうしたかった」を形にします。

ダン・ハーモンと「英雄の旅」

ダン・ハーモンは、アメリカの大人気コメディドラマ『コミュニティ』や、SFアニメ『リック・アンド・モーティ』を手掛けた天才的な脚本家・クリエイターです。

彼は、神話学者ジョセフ・キャンベルが提唱した有名な法則「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」の大ファンでした。神話から『スター・ウォーズ』に至るまで、古今東西のヒット作に共通する物語の構造です。
しかし、オリジナルのヒーローズ・ジャーニーは12ステップもあり、少し複雑でした。
そこでハーモンは、これを現代のテレビドラマや私たちの日常のストーリーテリングにも使いやすいよう、シンプルに8つのステップの「円(サークル)」に落とし込んだのです。

ストーリー・サークルを構成する8つのステップ

ストーリー・サークルは、円の上半分が「日常(安全地帯)」、下半分が「非日常(未知の世界)」を表しています。主人公は日常から未知の世界へ降りていき、再び日常に戻ってくるというサイクルを描きます。

具体的には以下の8つのステップで進みます。

ストーリー・サークルの8つのステップ
  1. You(主人公は不自由ない暮らしを送っている): 現状のコンフォートゾーン。
  2. Need(でも何かがほしくなる): 現状への不満や、解決したい課題の発生。
  3. Go(未知の状況に飛び込む): 解決のために新しい行動を起こす(非日常への突入)。
  4. Search(状況に適応する): 試行錯誤し、壁にぶつかりながらももがく。
  5. Find(ほしかったものを手に入れる): 目的のものを得るが、ここで物語は終わらない。
  6. Take(その大きな代償を払わされる): 成功の裏で何かを失う、あるいは大きな試練(挫折)を味わう。
  7. Return(慣れ親しんだ日常に戻る): 経験を持って元の世界へ帰還する。
  8. Change(生まれ変わる): 外見や環境は同じでも、主人公の「内面」が決定的に変化している。

ピクサー・ピッチとの違いは「内面の変化」

「ピクサー・ピッチ」が「どんな出来事が起きたか(プロット)」を伝えるのに長けているのに対し、この「ストーリー・サークル」は「その人がどう変わったか(キャラクターの成長・変化)」を伝えることに特化しています。

特に重要なのが、「6. その大きな代償を払わされる」というステップです。
ビジネスの自己紹介やポートフォリオでは、「私はこんな課題を見つけ(2)、行動し(3)、成功しました(5)!」と、一直線の成功譚を語ってしまいがちです。
しかし、これでは人間の深みが出ません。読者が本当に共感するのは、その過程で「何を犠牲にし、どんな痛みを味わったか(6)」、そして「その結果、どう価値観が変わったか(8)」という部分なのです。

【実践】あなたのストーリーを円に当てはめてみよう

この円を、クリエイターやフリーランスの「セルフプロデュース」や「サービス開発秘話」に当てはめてみましょう。

例:あるデザイナーの独立ストーリー
  • 1. 日常: 制作会社で安定した給料をもらい、不自由なく働いていた。
  • 2. 欲求: でも、もっと顧客と直接対話し、手触りのあるデザインがしたくなった。
  • 3. 突入: 会社を辞め、フリーランスという未知の世界に飛び込んだ。
  • 4. 適応: 営業の仕方も分からず、手探りで何でも仕事を引き受けた。
  • 5. 獲得: 念願だった「直案件」をいくつも獲得できるようになった。
  • 6. 代償: しかし、キャパオーバーで体調を崩し、本当にやりたかったデザインの質が落ちてしまった。
  • 7. 帰還: 仕事の受け方を見直し、再び「作る喜び」を取り戻した。
  • 8. 変化: 以前の「ただデザインを作る自分」ではなく、「顧客の課題に伴走するパートナー」へと生まれ変わった。

いかがでしょうか。ただ「私は顧客に伴走するデザイナーです」と名乗るよりも、このストーリーを通した方が、はるかにその人の人間性や仕事への覚悟が伝わってくるはずです。

さいごに:傷なきヒーローは愛されない

自分を売り込もうとするとき、私たちはつい「失敗」や「代償」を隠し、完璧な自分を見せようとしてしまいます。

しかし、ストーリー・サークルが教えてくれるのは、「人は、困難にぶつかり(4)、痛みを伴いながら(6)、変化していく(8)姿にこそ心を動かされる」という事実です。
あなたのキャリアの「代償」や「挫折」は、隠すものではなく、あなたの物語を最高に魅力的にするための重要なピースです。

ぜひ、あなた自身の経験をこの8つのステップの「円」に書き込んでみてください。
きっと、あなただけの強力なプロフィールが出来上がるはずです。

今回参照した名著・おすすめ本

クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! "君がつくり上げるもの"を世界に知ってもらうために

マーケティングの本は往々にして「帯に短したすきに長し」という感があります。
とくに広告費の少ない一介のクリエイターやフリーランスがマーケティングの名著を読んでも、身にならないことが多いものです。

そうした中で『SHOW YOUR WORK!』は、徹底して「一人のクリエイター目線」でセルフプロデュースの方法をあらゆる角度から紹介しています。

この本を読めば、きっとあなたのセルフプロデュースの道筋が拓けるはずです。

\かわいいデザインにも注目!/

1 オースティン・クレオン(著)、千葉敏生(訳)『クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! “君がつくり上げるもの”を世界に知ってもらうために』実務教育出版、2014年、105頁より。以下『SHOW YOUR WORK!』と略記
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