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【PMBOK第8版】スケジュール管理を成功に導く3つの中核プロセスと4つの作成ステップ

PMBOK第8版の「スケジュール・パフォーマンス領域」を読み解くシリーズ。今回は、プロジェクトを適時に完了させるための具体的な活動である「2.3.2 プロセス(Processes)」について解説します。

スケジュール・パフォーマンス領域を効果的に管理するため、PMBOK第8版では3つの中核的なプロセスが定義されています。それぞれのプロセスの目的と流れを見ていきましょう[1]Project Management Institute, Inc., The Standard for Project Management and A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Eighth Edition, 第2部 … Continue reading

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山脇 弘成(SSAITS代表)

PMP®有資格者・Webプロジェクトマネージャー
大手メディアや官公庁のWebプロジェクト実績多数。
「技術」だけでなく「対話」を重視し、御社の「ほんとは、こうしたかった」を形にします。

スケジュール管理の計画(Plan Schedule Management)

スケジュールをどのように設計、開発、管理、実行、および維持していくかについてのポリシーや手順を確立するプロセスです。

  • 主な利点: プロジェクト全体を通じて、スケジュールをどう管理していくかのガイドラインと方向性を提供します。
  • 主要な成果物: ここで作成されるのが「スケジュール管理計画書(Schedule Management Plan)」です。この計画書には、開発方法、スケジュールの精度レベル、測定単位、スケジュールの維持方法、パフォーマンス測定のルールや報告形式などが文書化されます。

スケジュール作成(Develop Schedule)

アクティビティの順序、期間、リソース要件、および制約事項を分析し、実行と監視のための「スケジュール・モデル」を実際に作成するプロセスです。進捗を追跡するための基準(ベースライン)を確立することが目的です。

スケジュール作成は、主に以下の4つのステップで行われます。

アクティビティの定義(Define Activities)

成果物を生み出すために実行すべき具体的なアクションを特定し、文書化します。これにより、WBS(作業分解図)の塊が、具体的な「スケジュール・アクティビティ」へと細分化されます。

順序設定(Determine Sequence)

「タスクAが終わらないとタスクBが始められない」といった、アクティビティ間の論理的な依存関係を決定し、最も効率的な作業手順を定義します。現実的なスケジュールを作るため、タスク間に意図的な待ち時間(ラグ)などを設定することもあります。

労力と期間の見積り(Estimate Effort and Duration)

割り当てられたリソース(人員や機材)を用いて、各アクティビティを完了するのに必要な労働時間(労力)や作業期間を算出します。
ここでは、類推見積り、ボトムアップ見積り、三点見積り(三角分布 $t_E = (t_O + t_M + t_P) / 3$ など)、アジャイル開発でよく使われるストーリーポイントやプランニングポーカーなど、多様な手法が用いられます。

💡【関連記事】各見積り手法の詳しい解説はこちら

状況に合わせて最適な見積り手法を選ぶことはプロマネの重要なスキルです。代表的な見積り手法の種類と特徴については、以下の記事をご参照ください。

なお、見積りには「リソースを倍にしても期間が半分になるわけではない(収穫逓減の法則)」といった要因や、人間の認知バイアス(計画の誤謬など)が精度に影響を与える点に注意が必要です。

調整(Adjust)

作成したスケジュールのドラフトをレビューし、特定の人に作業が集中しすぎていないか(リソースの競合)、論理的な矛盾がないかを確認し、リソース平準化などの調整を行います。この調整を経て、スケジュールは公式な「スケジュール・ベースライン」として承認されます。

スケジュールの監視・コントロール(Monitor and Control Schedule)

プロジェクトのステータスを継続的に監視してスケジュールを更新し、ベースラインや計画への変更を管理するプロセスです。プロジェクト期間全体を通じて、常に「現実的なスケジュール」を維持することが目的です。

このプロセスは、採用している開発アプローチによって管理の仕方が大きく異なります。

予測型(ウォーターフォール)アプローチの場合

一度決めたスケジュール・ベースラインに対するすべての変更は、「変更管理プロセス(CCBなど)」を通じて正式に承認される必要があります。進捗の遅れを取り戻すためにスケジュール・バッファ(予備)を再検討したり、変更の影響を評価したりすることが主な活動となります。

適応型(アジャイル)アプローチの場合

イテレーション(スプリント)ごとに、実際に完了した作業量と、当初の見積り作業量を比較することでステータスを判断します。厳密な変更承認フローよりも、バックログの再優先順位付けや、チームのベロシティ(生産速度)の測定、振り返り(レトロスペクティブ)を通じた継続的なプロセス改善に焦点を当ててスケジュールをコントロールします。

まとめ

スケジュールの作成・管理は、「計画書を作る(Plan)」「スケジュールを組み立てる(Develop)」「予実を監視・調整する(Monitor and Control)」という3つのステップで回っていきます。

特に「スケジュール作成(Develop)」におけるタスクの洗い出しと見積りは、その後のプロジェクトの成否を分ける非常に重要な工程です。状況に合った適切な見積り手法を用い、現実的で柔軟なスケジュール・ベースラインを構築しましょう。

1 Project Management Institute, Inc., The Standard for Project Management and A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK® Guide) – Eighth Edition, 第2部 セクション2.3.2(48-55頁)より要約・翻訳。
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