近年、地域コミュニティの中で「サードプレイス」という言葉が注目されています。
これは、家庭(第一の場所)や学校(第二の場所)とは異なる、子どもたちが心からリラックスできる「第三の居場所」を指す言葉です。
私たち「あつまラボ」は、ここ東京都青梅市梅郷で子どもたちのための非営利活動を始めるにあたり、このサードプレイスのあり方について深く考えました。
「サードプレイス」の代名詞、スターバックスの事例
「サードプレイス」というコンセプトを世界的に有名にしたのが、スターバックスです。
彼らはコーヒーだけでなく、「家でも職場でもない、くつろげる空間」そのものを提供することで、大きな成功を収めました。
しかし、経営学者の楠木建先生が著書『ストーリーとしての競争戦略』で指摘するように、スターバックスのコンセプトがすべての人に合うわけではありません。
明確なコンセプトがあるからこそ、「スターバックスが大好きだ」という人がいる一方で、「自分には合わない」と感じる人もいます。
これは、コンセプトの本質が「誰に好かれ、誰に嫌われるかを明確にすること」であることを示しています。
「みんなのため」ではなく、「あなたのため」の場所に
![[あつまラボの本棚やボードゲームの写真]](https://ssaits.jp/atsuma-lab/blog/wp-content/uploads/2025/07/3.png)
この考え方は、子どもたちのためのサードプレイスにも、そのまま当てはまります。
私たち「あつまラボ」は、
- 「本を読むのが好き」
- 「ITやプログラミングで何か作ってみたい」
- 「ボードゲームでじっくり考えるのが好き」
…というお子さんにとっては、天国のような場所になることを目指しています。
しかし、「外でボールを蹴っている方が好き!」というお子さんにとっては、少し退屈な場所かもしれません。
しかし、あつまラボはそれでこそ良いのだと考えています。
子ども一人ひとりに個性があるように、彼らが心から「自分の居場所だ」と感じられるサードプレイスも、多様であってしかるべきです。
「みんなに合う」最大公約数的な場所が一つあるよりも、「尖っていても、誰かにとっては最高の場所」がいくつもあった方が、子どもたちの日常はもっと豊かになるはずです。
青梅市梅郷に、多様な「とまり木」を。
幸いなことに、この青梅市には、子どもたちのために新しい居場所を作ろうとする素敵な動きが、いくつも存在します。
スポーツが好きな子のための場所。
音楽が好きな子のための場所。
そして、私たちのように「つくること」が好きな子のための場所。
青梅が、子どもたち一人ひとりの「好き」という気持ちを受け止めてくれる、多様な「とまり木」で溢れる街になったら、どれほど素晴らしいだろう。
私たち「あつまラボ」も、そんな青梅のユニークな『とまり木』の一つとして、地域に根差した活動を続けていきます。
もし、私たちの考えに少しでも共感していただけましたら、ぜひ一度、活動を覗いてみてください。