ルクレティウス過小評価とは何か?個人的な体験による認知バイアス

2023年10月17日

ルクレティウス過小評価の概要

ルクレティウス過小評価とは、ある人の個人的な過去の体験が、その人が可能だと考えることを左右しているという認知バイアスです。
この言葉は『ブラック・スワン』などの著者として知られるナシム・ニコラス・タレブによってつくられました。

ルクレティウスの言葉

このルクレティウス過小評価は、古代ローマの哲学者であり、詩人のティトゥス・ルクレティウス・カルスに由来します。
ルクレティウスは、世界に存在するいちばん高い山は自分がそれまでに観察したいちばん高い山と同じだと信じている人間を愚か者と呼びました。
つまり、詳しく調べようとせず、自分の過去の体験だけを判断の軸にしている人間を、ルクレティウスは非難しました。

ナシム・ニコラス・タレブはサブプライムローンによる金融危機や2011年の東日本大震災による原発事故が、「それまで経験してこなかった」ことを理由にしているのは、このルクレティウスが非難した状態だと指摘し、「ルクレティウス過小評価」と呼びました[1]https://www.goodreads.com/quotes/3230805-i-have-called-this-mental-defect-the-lucretius-problem-after

認知バイアスについて詳しくは

このルクレティウス過小評価は認知バイアスの一つです。
認知バイアスについては、下記の記事もご参照ください。

参考

書籍

  • マリア・コニコヴァ(著)、日暮雅通(訳)『シャーロック・ホームズの思考術』早川書房、2016年

Webページ

  • https://www.goodreads.com/quotes/3230805-i-have-called-this-mental-defect-the-lucretius-problem-after(2023年10月16日確認)
  • https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%82%B9(2023年10月16日確認)
  • https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%83%96(2023年10月16日確認)

1https://www.goodreads.com/quotes/3230805-i-have-called-this-mental-defect-the-lucretius-problem-after