ポモドーロ・テクニック入門!集中力UPで仕事効率化

「気が散って仕事がはかどらない…」 「集中力が続かない…」
そんな悩みをお持ちのあなたへ。
ポモドーロ・テクニックは、 集中力を高め、 生産性を劇的に向上させる 最強の時間管理術です。

[画像:ポモドーロ・テクニックで集中して作業している人の様子]

この記事では、 ポモドーロ・テクニックの 基本から応用、 そして効果的な活用方法まで、 わかりやすく解説します。
ポモドーロ・テクニックを マスターして、 集中力を極め、 目標達成を加速させましょう!

ポモドーロ・テクニックとは?

ポモドーロ・テクニックは、1980年代にフランチェスコ・シリロによって考案された時間管理術です[1]フランチェスコ・シリロ(著)、斉藤裕一(訳)『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る … Continue reading

「ポモドーロ」はイタリア語で「トマト」を意味し、シリコがトマト型のキッチンタイマーを使っていたことに由来します。

ポモドーロ・テクニックの基本的な考え方は、「25分間の集中」「5分間の休憩」を繰り返すことです。

このサイクルを「1ポモドーロ」と呼びます。

そして、4ポモドーロごとに、15~20分の長時間休憩を取ります。

ポモドーロ・テクニックの基本要素

ポモドーロ・テクニックには、前提となる3つの基本要素があります。

基本的前提
  • 「生成」という概念に焦点を合わせない、これまでと異なる時間設定の方法
  • 頭をより良く使うこと
  • 使いやすく負担にならないツールの活用

「生成」という概念に焦点を合わせないというのは、ポモドーロ・テクニックの重要な考えです。
簡単に言うと、「時間を計る」という意識が他の時間管理法とは異なります。

作業の時間を計測すると「2時間使ったのに終わっていない」「1週間経ったけれどもできていない」というように、ネガティブな意識が生まれがちです。
しかし、ポモドーロ・テクニックでは、区切られた時間の中で集中することで、作業に対する時間の測り方を根本的に変えています。

ポモドーロ・テクニックのルール

ポモドーロ・テクニックを効果的に実践するために、以下のルールを守りましょう[2]前掲『ポモドーロ・テクニック入門』189頁。

ルール
  • ポモドーロは「25分プラス休憩5分」からなる
  • 4回のポモドーロごとに15~30分間の休憩を取る
  • ポモドーロは分割できない
  • タイマーが鳴るまでポモドーロは続く
  • 長く中断されたポモドーロは無効となる
  • 時間前に作業が終わったら、終了時間が来るまで見直しをする
  • ポモドーロを守る。中断しそうになったら手早く連絡や相談を済ませ、後で相手に連絡することにする
  • 5~7ポモドーロを超えるものは分割する。複雑な作業はいくつかに分ける
  • 1ポモドーロに満たないものは組み合わせる。単純な作業は組み合わせることが可能
  • 成果はポモドーロごとに積み重なる
  • 常に予定表がポモドーロに優先する
  • 1つのマイクロチームに1つのポモドーロ。各マイクロチームがそれぞれポモドーロを管理する
  • 次のポモドーロはもっとうまくいく

ポモドーロ・テクニックの実践

先ほどのルールを踏まえ、ここからはポモドーロ・テクニックの流れを具体的に追っていきましょう。

前準備

ポモドーロ・テクニックの前準備は多くありません。
準備する道具は時間を計測するタイマーと、その日に対応する作業を書いておくノートやメモ帳があれば十分です。

事前に対応しておいたほうがよいのは、タスクの洗い出しです。
ポモドーロ・テクニックでは「仕事の在庫」と呼ばれるタスクリストを作成し、重要度順に対応していきます。

仕事の在庫は、Microsoft社のエクセルやGoogleのスプレッドシートなどで十分です。
タスクと重要度を記載し、仕事の情報をまとめておきましょう。

実践手順

ポモドーロ・テクニックの流れは以下のとおりです。

ポモドーロ・テクニックの流れ
  1. タスクを選ぶ: 「仕事の在庫」からタスクを選びます。
  2. タイマーをセット: タイマーを25分にセットします。
  3. 作業: 集中して作業に取り組みます。
  4. 休憩: タイマーが鳴ったら、5分間の休憩を取ります。
  5. 4ポモドーロごとに長い休憩:4ポモドーロ(約2時間)ごとに、15~30分の長い休憩を取ります。
  6. 記録: ポモドーロとタスクを記録します。
  7. 振り返り: 記録を振り返り、改善点を見つけます。
  8. 継続: ポモドーロ・テクニックを継続して実践します。

ここからは、この作業手順に解説を加えていきます。

タスクを選ぶ

[画像:ポモドーロ・テクニックの「今日やること」シート(空欄)]

ポモドーロ・テクニックは、「仕事の在庫」からその日に対応するタスクを選び、「今日やること」シートに加えることから始まります。
「今日やること」シートには、作業者の名前、日付、2列組の表を用意します。

[画像:ポモドーロ・テクニックの「今日やること」シート(タスク記入)]

表の左列にはその日に取り組むタスク名を記入し、右側は後々ポモドーロの数を記述していきます。

「今日やること」シートはノートでもメモ帳でもよいでしょう。
ただし、「使いやすく負担にならないツールの活用」というポモドーロ・テクニックの基本要素から、複雑なアプリは適していないかもしれません。
電子機器の誘惑から離れるためにも、ノートやメモ帳を使用するのがおすすめです。

25分間集中して作業する

タスクを選んだら、タイマーを25分にセットし、作業を開始します。
この時、取り組んでいる作業以外はできるだけ後回しにして、目の前の作業に集中することが大切です。

休憩と1ポモドーロのチェック

25分のタイマーが鳴ったら、5分間の休憩が入ります。
休憩中は、後回しにしたことを対応したり、お手洗いにいったりする時間に使います。
次の25分間の作業に集中するため、休憩時間に頭を使うことを避けましょう。

[画像:ポモドーロ・テクニックの「今日やること」シート(1ポモドーロをチェック)]

この25分の作業と5分間の休憩が「1ポモドーロ」とも呼ばれる、作業の最小単位です。
休憩が終了したら、取り組んでいたタスクの右列に「✕」印をつけておきます。

これで後から作業を振り返った際に、各タスクにどの程度の時間を使ったかがわかります。

4ポモドーロごとに長い休憩を入れる

ポモドーロ・テクニックでは、4ポモドーロごとに15~30分の長い休憩を入れます。
しっかりとリフレッシュして、次の作業に備えます。

タスクを終わらせるまで続ける

[画像:ポモドーロ・テクニックの「今日やること」シート(完了)]

このサイクルを「今日やること」シートに記入したタスクをやりきるまで続けます。
完了したタスクはタスク名に横線を引き、終わったことがわかるようにします。

記録し、改善する

その日の作業がすべて完了したら、「今日やること」シートにチェックしたポモドーロの数を数え、タスク名とともに記録していきます。
「仕事の在庫」をエクセルやスプレッドシートで管理している場合、その中に記入するのもよいでしょう。

このように記録することで、作業を振り返り、改善につなげていきます。

ポモドーロ・テクニックの効果

シリロは、ポモドーロ・テクニックにより、以下のことが可能になると述べています[3]前掲『ポモドーロ・テクニック入門』23頁。

ポモドーロ・テクニックで可能になること
  • 「生成」に関係する不安の緩和
  • 中断を減らすことによる集中力の向上
  • 意思決定に対する意識の向上
  • 動機を高めて維持すること
  • 目標達成への意志を強めること
  • 質・量の両面において見通す力を高めること
  • 仕事や勉強のプロセスの改善

簡単に言い換えると、ポモドーロ・テクニックにより下記のような効果が期待できます。

  • 集中力UP!:作業時間と休憩時間を区切り、集中とリラックスを繰り返すことで、集中力を維持することができます。
  • 生産性UP!:集中して作業に取り組むことで、作業効率が上がり、生産性が向上します。
  • 時間管理能力UP!:時間を意識して作業することで、時間管理能力が向上します。

まとめ:ポモドーロ・テクニック導入のススメ

ポモドーロ・テクニックは、シンプルな時間管理術でありながら、集中力向上、生産性向上、ストレス軽減など、様々な効果をもたらします。

ぜひ、ポモドーロ・テクニックを導入し、集中力を極め、目標達成を加速させましょう!

1フランチェスコ・シリロ(著)、斉藤裕一(訳)『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門』CCCメディアハウス、2019年。以下『ポモドーロ・テクニック入門』と略記。
2前掲『ポモドーロ・テクニック入門』189頁。
3前掲『ポモドーロ・テクニック入門』23頁。