プロダクトの独自の価値提案(UVP,Unique Value Proposition)とは何か?
独自の価値提案(UVP)とは?
独自の価値提案(UVP , Unique Value Proposition)とは、顧客に対してなぜその製品やサービスを他のものよりも選ぶべきかを伝えるための文言や文章です。
簡単に言い換えると、これから生み出そうとしている製品やサービスが「どのような点で他社の製品に勝っているか」「なぜ顧客にとって重要なのか」を端的に表現したものです。
近年では、製品やサービスを紹介するランディングページのキャッチコピーが独自の価値提案に該当します。
この独自の価値提案は、生み出すサービスやプロダクトの魅力に大きな影響を及ぼすため、近年ではリーンキャンバスの構成要素の1つとして注目され、起業やプロダクト開発の際に重視されています。
効果的な独自の価値提案(UVP)のつくり方
独自の価値提案は「なぜあなたの製品には独自性があり、注目すべきなのか?」という問いに簡潔に答え、顧客にとって重要なものを示さなければなりません。
効果的な独自の価値提案をつくるために、以下の要素に注目して作成を進めていきましょう[1]Ash Maurya(著)、角 征典(翻訳)『Running … Continue reading。
- 顧客の最大の課題と結び付ける
- 顧客にとって望ましい利益や結果に注目する
- アーリーアダプターを対象にする
- 「何のため」「誰のため」「なぜ」に答える
- 短くする
以下では、これらの要素を補足説明していきます。
顧客の最大の課題と結び付ける
独自の価値提案の作成で最も重視すべきは顧客の課題です。顧客が「その製品(サービス)にお金を支払ってもよい」と考えるかどうかは、その顧客の課題を取り除いてくれるか否かにかかっています。課題の解消が約束されているのであれば、その製品やサービスの成功は約束されているようなものです。
顧客にとって望ましい利益や結果に注目する
課題と同じく大切なのは、顧客にとって望ましい利益(ベネフィット)や結果(アウトカム)を示すことです。
たとえば、Web上で利用できる履歴書作成システムを構築しているとします。このサービスであれば、以下のようにまとめられます。
サービスの機能 | プロがデザインしたテンプレート |
利益(ベネフィット) | 注目を集める履歴書 |
結果(アウトカム) | 理想の仕事に就ける |
このように、製品やサービスのどのような機能を使うことにより、どのような利益が得られ、その結果、どのような結果になるのかを独自の価値提案では明らかにしましょう。
アーリーアダプターを対象にし、簡潔にまとめていく
課題と利益、結果が決まればあとはそれをまとめていくだけです。
新規の製品やサービスであれば、新規のサービスをどんどん試したいと考えているアーリーアダプターに焦点を当てるとよいでしょう。アーリーアダプターに採用してもらうために、大胆で具体的で明確なメッセージを考えていきます。
また、文章としてまとめていく際には「何のため」「誰のため」「なぜ」に注目します。
そして、独自の価値提案はランディングページの冒頭や広告などに載せるため、簡潔な文章にしていきます。
独自の価値提案(UVP)はつくり直してもよい
独自の価値提案だけでなく、リーンキャンバスの要素はつくり直してもかまいません。
もし顧客が抱えている課題や求めている利益、結果が想定したものと異なれば、独自の価値提案を修正していくことが大切です。
参考
- Ash Maurya(著)、角 征典(翻訳)『Running Lean[第三版]―リーンキャンバスから始める継続的イノベーションフレームワーク』オライリー・ジャパン、2023年
注
↑1 | Ash Maurya(著)、角 征典(翻訳)『Running Lean[第三版]―リーンキャンバスから始める継続的イノベーションフレームワーク』オライリー・ジャパン、2023年、42~43頁。 |
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