論理データ・モデルとは何か?データの関係性を図解する

2020年7月24日

論理データ・モデルの概要

論理データ・モデルは、システム内のデータ要素の詳細な構成と、データ要素間の関係を定義するために利用します。
概念データ・モデルで定義された内容を洗練・詳細化したもので、物理データ・モデルが参照するモデルとなります。
システム開発をする上で必要な対象データ(業務・人材・物・資金)の詳細データ項目を整理することによって、安定したシステム開発が行えるようになります。また、詳細化したデータを蓄積しておけば、そのデータは資産となり、さまざまなプロジェクトで活用することができるため、論理データ・モデリングは非常に重要な役割を担います。
多くの場合論理データ・モデルは図形で示され、ビジュアル的にデータの関係性が把握できるようになっています。

論理データ・モデルの利用方法

ここでは、実際に論理データ・モデルの利用方法をご紹介します。

1.設計方針を策定する

まずは、方針を策定するために、システム開発のプロジェクトメンバーを決めていき、最終決定権を誰に与えるかの役割分担を決めます。同時に、業務担当者・データモデリング担当者・データベース実装担当者・システム開発担当者の役割を決めてください。また、データに関する基準なども決めていきます。

2.正規化作業

データに関する基準を定めたら、データを正規化していきます。この段階では、属人化を排除しましょう。プロジェクトの推進上、複数の担当者に分かれて正規化を行った場合は、全社レベルでデータが一元管理されるようにデータを正規化します。

3.最適化作業

次に、ファイル単位で正規化されたデータを全体的に見直す作業をします。データを見直して最適化することによって、重複していたデータを排除し、業務ルールやプロセスの全体像を簡潔化・明瞭化していくことができます。使いやすいデータモデルを構築するためには、最適化作業は欠かすことはできません。

4.安定性検証作業

安定性検証作業では、構築されたデータに対して、ルールが変更された場合に、どのように対応するか検証していきます。対応方法が従来のルールと異なる場合は、データを新しく加えていくことになります。

論理データ・モデルの必要性

論理データ・モデルを実施すると、以下のような効果が見込めます。

保守工数の縮小が実現できる

論理データ・モデリングは、システム設計時に検討されます。設計段階で、業務・人材・物・資産の詳細データ項目を整理しておくことによって、変更や修正の回数を大幅に削減することができるのです。保守工数が増えるほど、費用が発生します。そのため、保守工数の縮小のために、システム開発時に論理データ・モデリングが実施されるようになりました。

情報活用による意思決定を行える

近頃のシステム開発では、自社でシステムを構築するのではなく、パッケージ・ソフトウェアを購入してカスタマイズするのが主流となりました。どのようなパッケージ製品があるか情報を網羅して把握しておけば、それらの情報を活用した的確な意思決定が行えます。

情報の資産化につなげられる

ITビジネスの変化に対して、データの資産化は重要です。資産化されたデータは、業務のさまざまなデータ活用要求を下支えし、長期的に安心して使えて、必要な拡張も可能なデータ活用基盤となります。そのため、論理データ・モデリングを実施して情報を整理しておくことが大切です。

プロジェクトメンバー間で情報共有ができる

プロジェクトに関する詳細の情報を決めておき、プロジェクトメンバー間で共有しておけば、システム開発をスムーズに進めていくことができます。また、複数人で論理データ・モデリングを実施すれば、より精度の高いデータを作り出すことができます。