売上アップにつながるロイヤルカスタマーとは何か?ロイヤルカスタマーを育成する方法も併せて解説
企業が売上を伸ばしていくためには、ロイヤルカスタマーの育成が重要だと言われています。
この記事では、ロイヤルカスタマーの定義とロイヤルカスタマーを育成する方法について解説します。
ロイヤルカスタマーとは
ロイヤルカスタマーとは、サービスや商品のファンであり、企業やそのブランドを信頼してくれる顧客のことをいいます。
サービスや商品のファンであるため、簡単には他の商品やサービスに乗り換えることはありません。
また、自分が好きな商品やサービスを第三者に紹介してくれる顧客でもあります。
優良顧客との違い
ロイヤルカスタマーと似た言葉として優良顧客があります。
優良顧客もまた商品やサービスを頻繁に購入してくれる人たちです。
この優良顧客の中にはロイヤルカスタマーも含まれますが、単に「商品やサービスの価格が安いから購入している」「近くで買えるから購入している」という人たちも含んでいます。
こうした人たちは、他に魅力的な商品やサービスが出てきた場合、乗り換えてしまう可能性があります。
つまり、優良顧客がロイヤルカスタマーであるとは一概には言えません。
ロイヤルカスタマーを増やすメリット
ロイヤルカスタマーを増やすことは、企業に多くのメリットをもたらします。
ここでは3つのメリットについて解説します。
売上の安定と向上
ロイヤルカスタマーは、継続的に商品やサービスを購入してくれるため、売上の安定をもたらします。
そのため、顧客が取引を始めてから終わるまでにもたらす利益の総額を示す指標「LTV(顧客生涯価値)」が上がります。LTVは今後の売上を考えるために重要な指標です。
また上位の商品やサービスに乗り換えるアップセル、別の商品を一緒に購入するクロスセルにつながる可能性も高く、顧客単価がアップするため売上が向上します。
顧客を紹介してもらえる
ロイヤルカスタマーは、商品やサービスを信頼しているため、一般の顧客に比べて第三者に商品やサービスを紹介してくれる可能性が高いです。
知人からの紹介は情報源として信頼できるものであるため、紹介された側も商品やサービスを購入してくれる可能性が高くなると予想されます。その結果、自然に新規の顧客が増えてきます。
新規顧客を獲得しようとすると、宣伝広告費を含めて、多大なコストがかかるのが一般的です。新規顧客に対して商品やサービスを販売するコストは、既存顧客に対するコストの5倍と言われています。
こうしたコストを必要とせず、顧客を紹介してくれるロイヤルカスタマーの存在は、新規顧客獲得のコスト低下にもつながります。
商品やサービスの改善につながるフィードバックがもらえる
ロイヤルカスタマーは、商品やサービスをよく利用してくれているため、通常の顧客に比べて質の良い改善案を提案してくれる可能性が高いです。
企業側では気づかなかったようなアイディアを、ロイヤルカスタマーは使用者の目線で提供してくれます。
そうしたフィードバックを、商品やサービスの改善に活かすことで、さらに売上アップにつなげることができます。
また新規のサービスや商品を開発する場合にも、ロイヤルカスタマーの意見を参考にすることで、成功する可能性が高まります。
ロイヤルカスタマーを育成する方法
ロイヤルカスタマーを育成する方法は、以下の手順で進めていきます。
- ロイヤルカスタマーとなる顧客を定義する
- 接触回数を増やす
- 顧客体験を見直す
- 効果を検証して改善する
ここからは、これらの手順を解説していきます。
ロイヤルカスタマーとなる顧客を定義する
まずは「自社にとって適切なロイヤルカスタマーとはどのような顧客なのか」を定義をしていく必要があります。たとえば購入頻度や購入単価、知人や友人への紹介頻度などを数値化して基準にします。
残念ながら、すべての顧客がロイヤルカスタマーになるわけではありません。そのため、全体の顧客の何割をロイヤルカスタマーにするのかの目標値も設定するとよいでしょう。
接触回数を増やす
ロイヤルカスタマーの定義を決めたら、対象となる顧客の中で、ロイヤルカスタマーに変わる可能性が高いユーザーをターゲットに設定し、ロイヤルカスタマーに移行する施策を考えます。
重要なのは顧客との接触頻度を増やすことです。
そこで顧客とのコミュニケーションを取るために必要なチャネルを考えます。たとえば、SNSやメールマガジン、DMなどです。定期的に情報を発信し、顧客と接触することで、顧客の商品やサービスに対する信頼度が増していきます。
顧客体験を見直す
サービスや商品に対して愛着を持ってもらうために、商品を購入するまでの顧客体験やアフターサービスの充実が必要になります。とくに商品を購入した後もサポートを充実させたり、お客様の声を商品の改善に活かしたりする必要があります。
そうすることで、顧客は自分の要望を受け入れてくれたと考え、顧客満足度が増します。顧客満足度が増せば、ロイヤルカスタマーになる可能性も高いでしょう。
顧客満足度については、下記の記事もご参照ください。
効果を検証して改善する
接触回数を増やし、顧客体験を見直した後は、効果を検証して改善する必要があります。設定した目標値に達していなければ、顧客と接触するチャネルや顧客体験の見直しが必要になってくるでしょう。
ロイヤルカスタマーを育成するポイント
ロイヤルカスタマーを育成するために必要なポイントがあります。それは以下の3つです。
ロイヤルカスタマー向けのサービス特典を作る
ロイヤルカスタマーを増やしていくためには、ロイヤルカスタマー向けのサービスや特典を作っていくのが有効です。ロイヤルカスタマーになることでメリットがあると考えれば、継続的にサービスや商品を購入してくれる可能性が高まります。
たとえばロイヤルカスタマーになることで、お得なクーポン券を獲得できたり、一般のユーザーが利用できない商品やサービスを利用できたりすることなどが考えられます。また顧客を多く紹介した方に、割引クーポンを配布するなども考えられるでしょう。
ロイヤルカスタマーのみが得られるメリットを明確化していきましょう。
顧客目線で顧客体験を見直す
商品の機能の差別化だけでなく、商品やサービスの顧客体験を重視する必要があります。その理由としては、良い商品を作っても他社との差別化がなかなか難しいという現状からです。そうした中で顧客体験を見直す必要がありますが、あくまでも顧客目線に立った顧客体験の見直しをしなければなりません。
顧客にとってどのような商品やサービスが良いのか、顧客に対してアンケートなどを実施して、顧客の要望を取り入れた顧客体験を提供するようにしましょう。
ロイヤルカスタマー育成は全社で取り組む
ロイヤルカスタマーの育成には、商品購入前の情報収集からアフターサービスまでを含めた全プロセスでの取り組みが必要になってきます。そのため企業の一部の部署のみで行えるものではありません。
企業全体でロイヤルカスタマー育成のために必要なことを考え、長期的な視野で行っていかなければなりません。そのためには経営陣のリーダーシップが重要になってくるでしょう。
ロイヤルカスタマーを育成して売上アップにつなげよう!
今まで述べてきたように、ロイヤルカスタマーを育成することで、売上が安定したり向上したりします。
ただし、ロイヤルカスタマーの育成は、簡単にできるものではありません。まず顧客が必要としているサービスや商品は何なのか、顧客目線に立った顧客体験を提供する必要があります。
長期的な視野に立ってロイヤルカスタマー育成のための取り組みを行っていきましょう。
参考
- ロイヤルカスタマーとは?その定義と育成のポイント|TOSHO DIGITAL(2023年1月23日閲覧)
- ロイヤルカスタマーとは? 定義や企業へのメリット、育成方法を解説(2023年1月23日閲覧)
- ロイヤルカスタマーとは?分析や育成の方法、役立ちツールを紹介 | BOTCHAN Base(2023年1月23日閲覧)