「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違いは?使い方の違いを解説

2022年10月27日

今回は混同して使われやすい「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違いを解説します。

敷居が高いの使い方

「この歳でプログラミングを始めるのは敷居が高い」とは言わない?

「この歳でプログラミングを始めるのは敷居が高い」「あのお店に入るのは敷居が高い」と言うように、慣用句として「敷居が高い」を使うことがあります。

しかし本来、「敷居が高い」は自分の不義理などの理由で、相手方の家に行きにくい意味を示しているため、「この歳でプログラミングを始めるのは敷居が高い」は誤用です。

礼儀作法の象徴としての敷居

日本の文化では、敷居は礼儀作法の面で独特の扱われ方をされています。
一般的に、敷居を踏むことはマナー違反とされています。
また、他人の家に入る際も「敷居をまたぐ」という表現がなされます。
「敷居をまたぐ」も物理的に家に入ることを意味するだけではなく、その家に受け入れてもらうことも意味に含まれています。
たとえば家を出ていった子供に「お前に敷居はまたがせない」と親が言う場面を映画で見ることがありますが、これは「家に入れない」と言いたいだけでなく、「家族として迎え入れない」ことも意味しています。

このように、日本文化の中で敷居は礼儀作法や精神的な境界線の象徴として扱われてきました。
この文化から、自分に不義理があり、精神的な面でその家に入りにくいことを「敷居が高い」と表現するようです。

敷居の画像
敷居(画像はWikiより)

難易度の高さを意味するなら「ハードルが高い」を使う

難易度の高さによって、実施が難しいという場合は「敷居が高い」ではなく「ハードルが高い」を使うと良いでしょう。

先ほどの例であれば、「この歳でプログラミングを始めるのはハードルが高い」という表現をします。

ハードルの画像
ハードル(画像はWikiより)

「あのお店は敷居が高い」はOK?

「この歳でプログラミングを始めるのは敷居が高い」は誤用ですが、「あのお店は敷居が高い」は誤りとは言えません
2018年1月に発行された広辞苑第7版で「高級で入りにくい」という内容の記述が追加されたため、この意味で使う場合は「敷居が高い」の表現でも誤りとは言えなくなりました。

参考