内的モチベーションを高める3つの目標を紹介 ―モチベーションを高めて離職率ゼロを実現する方法―
離職という企業の課題
今回は、モチベーションを効果的に高めて、離職率ゼロを実現する方法をお伝えします。
企業の大きな悩みの1つとして「離職」が挙げられます。
ただでさえ人材不足の状況のなか、時間とお金をかけて育てた人材が定着しないことは、経営面でも大きな不安要素です。
昨今の新卒の離職率は「3年以内に約30%」と言われており、企業は離職率を減らすためにさまざまな努力と工夫が求められています。
従業員が会社を辞めるとき、いきなり「辞めよう」となることはほぼありません。
多くは、さまざまな業務上の問題や人間関係などで悩み、徐々にモチベーションが下がり、ある一定の水準を下回ったとき「辞めよう」と決意するのです。
モチベーションは不安定なものなので、常に一定に保つことは難しいでしょう。
しかし、大事なのは「下がり続けないようにすること」です。そのためにはモチベーションが上がる仕掛けを持たなければいけません。
ポイントは内的モチベーションを高めること
継続的にモチベーションを上げるには「内的モチベーション」に働きかけることが必要です。モチベーションを高めようとするとき、多くの経営者がとってしまいがちなのは、「外的モチベーション」を高める方法ではないでしょうか。
例えば、
- 給料を上げる
- 報奨金を設定する
- 表彰制度をつくる
などが、外的モチベーションを高める方法に該当します。
確かに外的モチベーションを高めることは即効性があるため、手段として用いやすいのは事実です。
しかし外的モチベーションを上げることは、持続性に欠け、徐々にその効果が薄くなるというデメリットも持っています。
継続してモチベーションを高めるのであれば、内側から自然とモチベーションが上がる「内的モチベーション」に働きかける必要があるのです。
この内的モチベーション・外的モチベーションについては、以下の記事もご参照ください。
内的モチベーションを高めるための3つの目標
それでは内的モチベーションを高めるにはどうしたらよいのでしょうか。
組織として効果的に内的モチベーションを高めるために「目標設定」をうまく活用しましょう。
内的モチベーションを高めるうえで、効果的な目標設定が3つあります。
- お客に喜ばれる行動目標
- 仲間に喜ばれる行動目標
- 仕事を工夫する行動目標
大前提として、従業員に立ててもらう目標は「営業成績」とは何の関わりの無いものにしてください。
業績を意識してしまう目標は、それだけで「やらされている」感覚を従業員に与えてしまうため、内的モチベーションへの働きかけが薄くなってしまいます。
1. お客に喜ばれる行動目標
まず1つ目は、お客に喜ばれるための目標を立ててもらいます。
例えば、
- お客に呼びかけるときは名前で呼ぶ
- お客のところで作業が終わったら5分間掃除をしてから引き上げる
- 自分の担当したお客へ定期的にアフターフォローの連絡を入れる
など、なんでも構いません。
従業員が仕事にやりがいを感じる1番のポイントは「お客からの称賛」と言われています。
このような行動目標を立てることで、よりお客に役立っていることを実感でき、直接お褒めの言葉を頂く機会も増えるという仕組みです。
2. 仲間に喜ばれる行動目標
2つ目が、仲間に喜ばれる目標を立てることです。
例えば、
- 必ず自分から挨拶をする
- 朝10分早く来て、共用スペースを掃除する
- 自分の仕事が一段落したら、手伝うことはないか仲間にひと声かける
などが挙げられます。
モチベーションにおいて、自身が所属している組織内の評価や役割というものは、思いのほか重要度が高いことがわかっています。
仲間への貢献を行動目標とすることで、より組織内の人間関係がスムーズになり、内的モチベーションを高めることができます。
3. 仕事を工夫する行動目標
3つ目が、仕事を工夫する目標です。
これは自身が取り組んでいる業務において、どのような工夫ができるかを考え、行動目標として設定するものです。
これまでお伝えした2つの目標が「対人」であったのに対し、この目標は「業務」に対するものであるため少し毛色が違うように感じるかもしれません。
しかし、仕事に対する満足度を高めるうえで、この目標設定は非常に重要なのです。
業務は会社で決められたルールやマニュアルにより、個人が自由に判断し実行できる部分が限られています。
そのため、仕事そのものに対して充実感や満足感が得られないことで、モチベーションを下げるケースも多くあります。
業務に対する工夫は、決してルールやマニュアルを破ることではなく、「より上手くやること」を目標としているため、企業としても安心して導入することが可能です。
まとめ
内的モチベーションを高める方法として以下の3つの目標設定が効果的であることをお伝えしました。
- お客に喜ばれる行動目標
- 仲間に喜ばれる行動目標
- 仕事を工夫する行動目標
加えて大事なのは、毎月上司が面談を行い、これらの目標に対する報告を受けフィードバックを与えることです。自身が設定した目標に対して、上司が関心を示すことでより目標設定の効果が高まり、モチベーションに強く働きかける効果が得られます。
3つの目標設定をうまく活用して、離職率ゼロを実現しましょう。