Webサイト(ホームページ)制作の要件定義書の作り方

2018年5月21日

要件定義がすべてのはじまり

今回はWebサイト制作に入る前に考えておきたい「要件定義」についてお話ししていきます。
最終的には「要件定義書」の作成をし、Webサイト制作にすんなりと入れるようにしていきます。

要件定義とは何か?

要件定義とはプロジェクトのゴール

「要件」というのはそのプロジェクトで達成したい課題と置き換えてもよいでしょう。
そして「要件定義」とは、簡単に言ってしまうとプロジェクトのゴールを決めることです。
そのプロジェクトで開発するWebサイトがどのような機能を備えていればよいのかを確認します。

要件定義については、下記の記事もご参照ください。

もし要件定義をしなかったら……

要件定義をしないでプロジェクトを始めることは、目的地も決めずに船を出航させるようなものです。
どこに向かうのかわからない船は事故にあう確率も高いでしょうし、長い航海の果てにメンバー間の対立が始まり、先も見えない海の只中で船内に争いがおこることは目に見えています。
これはWebサイト制作も同様です。
どんなWebサイトにするのかがはっきりしていないと、デザインでもめ、システムも決まらず、最後には「これつくる意味はあったの?」というWebサイトができてしまい、制作料金をドブに捨てたような結果に終わってしまう。
こうしたトラブルを防ぐためにも、要件定義は大切です。

要件定義書を作成し、制作会社に依頼する

これから見ていく各種の要件定義が終わったら、これらの要件をまとめて「要件定義書」を作成します。
これは社内でプロジェクトをスタートさせるための資料としても使用できますし、Webサイトの制作会社・事務所に対して声をかける際に、何をしてもらうかを知ってもらうツールにもなります。
とくに制作会社・事務所にとってはプロジェクトの規模、スケジュール、予算を知るための重要な資料になります。
見積もりに大きく影響する資料になるため、見積もりをする前に作成しておきましょう。

プロジェクトで実施する開発の要件を洗い出していく

まずはターゲットを明確にしよう

それではここからは、実際に要件をどのように固めていくかをお話ししていきます。
どんなプロジェクトであっても、「誰」に対してメリットのあるプロジェクトなのかを明らかにすることが要件定義の第一歩です。
「チラシでお店を知ってはじめてWebサイトに訪れた人」「顧客であり、スマホを使う50代女性」など、ターゲットを考えることでその後の要件についても何をしていかなければならないのか、明確になります。

課題-対策で必要な要件を洗い出していく

ターゲットが決まれば、そのターゲットに対して現状のWebサイトのどこに課題があるのか、または新しくつくるWebサイトはどのようなことに気を付けなければならないのかを考えていきます。

課題対策
スマートフォンでみられないスマートフォン対応する
デザインが古いデザインのリニューアル
商品の説明が不足している商品ページを拡充
Googleカレンダーと連携したいGoogleカレンダーの埋め込み

例えばこのような形で課題・対策を表にしていきます。これがWebサイトの開発部分の要件となるのです。

スケジュールと予算もしっかりと要件に含めよう

いつまでにプロジェクトを完了させるか

プロジェクトのスケジュールも要件の中に含めていきましょう。
当然プロジェクトのスケジュールは短ければ短いほどよいのですが、具体的に何年の何月何日までにはプロジェクトを完了しなければならないのかを明確にしておく必要があります。
例えば「新年度の4月に心機一転してリニューアルしたい」というのであれば、3月末までにはプロジェクトを完了させなければなりませんし、「会社の創立○○周年に向けてWebサイトをリニューアルしたい」というのであれば、会社の創立日がデッドラインになります。

どのくらいのお金を使えるのか

どのくらいのお金を使うのかも、しっかりと考えておかねばなりません。
プロジェクトを進めていくと、「あれもやりたい。これもやりたい」となりがちですが、その都度追加料金を払っていては、いくらお金があっても足りません。予算をしっかりと決めておくことで、制作料金の膨張を防ぐことができます。
また、あらかじめ定めていた開発要件に集中することができ、プロジェクトの失敗を防ぐことにもなります。

次にまわす決断も重要

要件を洗い出しても、予算やスケジュールがあわなければ要件の一部を次の機会に回すのも手です。
要件、予算、そしてスケジュールをまとめれば立派な要件定義書のできあがりです。
この要件定義書をもとにWebサイトの制作会社・制作事務所に声をかけてみて、提案をしてもらうのがよいでしょう。