ゲームの面白さを会社の制度に取り入れよう

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何故ゲームは遊び続けられるのだろう?

勉強や仕事は10分と集中力・やる気が続かないのに、テレビゲームは何故何時間もプレイしていられるのでしょうか。

Gamification(ゲーミフィケーション)とはこうしたテレビゲームの面白さ・楽しさをテレビゲーム以外の分野に応用し、モチベーションやロイヤリティなどを向上させていこうとするものです。

ゲーミフィケーションの根本的な考え方はゲームの面白さを他のものにも応用することにあります。

そのため、ゲーミフィケーションを考えるには何故ゲームが面白いのかを考える必要があります。

ここではゲームを面白くしている要因をまとめていきます。

ゲームを構成しているもの

「ゲーム」といえば、もっぱらNintendoDSやプレイステーションなどの「ビデオゲーム」を指すようになりましたが、チェスや将棋、囲碁など電子機器を使わないゲームも数多く存在しています。

こうした「ゲーム」と呼ばれる遊びの共通点はどこにあるのでしょうか?

ここではゲームをゲームたらしめている要因を考えていきましょう。

1.ゴール(目標)

ゲームにはゴール(目標)が必要です。

「相手より高い得点を出す」だとか「魔王を倒す」というゴールに向けて、様々な選択をしていくのがゲームです。

2.ルール

ゲームは特定のルールの下でのあそびを指します。

例えばサッカーの目標は「時間内に相手よりも多くの得点を獲得する」というものですが、そのために何をしてもいいわけではなく、手を使うことが禁止され、危険なプレイはファウルになります。

勝つために何をしてもよいというのであれば、サッカーも競技としてここまで多くの人を惹きつけるスポーツにはならなかったはずです。

ルールがあるからこそ、「このルール下でどうすればよいのか」という駆け引きがうまれ、ゲームとしての面白みが増すのです。

3.フィードバックシステム

ゲームにおけるフィードバックシステムとは、現在プレイヤーがどの程度ゴールに近づいているのかを示すものです。

このフィードバックが早ければ早いほど、ゲームの面白みも増していきます。

ゲームを面白くするもの

1.ゲームの画面

ゲームを面白くしている大きな要因としてゲーム画面が挙げられます。

ゲームに限らず、操作をする画面、いわゆるユーザーインターフェイス(UI)がゲームの面白さを大きく左右していきます。

2.素早いフィードバック

「今たおしたモンスターの経験値は明日発表されます」

こうしたゲームは間違いなくクソゲーに分類されるでしょう。

今選択したアクションの結果がすぐに表示される素早いフィードバックもゲームを面白くするのに欠かせない要因です。

3.レベル設定

序盤からあまりに強い敵がでてくるゲームもしばしば「クソゲー」と呼ばれます。

最初は弱い敵・簡単なステージからはじまり、プレイヤーの技術やゲームへの知識の高まりとともに難易度が上がるのがベストです。

4.自由にいつでも参加

ゲームの面白さを支えているのは「自由に」「いつでも」プレイできることです。

よく「ゲームをしてお金が稼げられたら……」という人もいますが、仕事として強制的にゲームをしなければならなかったら、ゲームはその面白さを失ってしまうかもしれません。

会社にゲームの面白さを持ち込むと

最後にゲームの面白さを会社の制度に取り入れる時のことを考えてみましょう。

ゴールの共有

会社の経営者とスタッフで自分たちの経営理念・使命がどれだけ共有されているかは、その会社の強さを示すバロメーターになっています。

それだけでなく、その会社で働くスタッフについても、自分たちの使命がわかっていなければ、何のために働いているのかわからなくなり、仕事をつまらないものにしてしまいます。

ゲームと同じく、ゴール(理念・使命)の共有が、仕事の楽しさにつながるといっても過言ではないでしょう。

そしてこうしたゴールを社内掲示板などで楽しく表示できれば、ゲームの楽しさを会社に取り入れることができるでしょう。

ルール

利益がなければ会社は存続できませんが、一方で何をしてもよいというわけではありません。

コンプライアンス順守が叫ばれていますが、こうしたルールを守っていくことが大切であり、仕事の面白さにもつながっていきます。

会社によっては「行動指針」というものを定めていることもありますが、何をすべきで、何をすべきでないのかをしっかりと定めておく必要があるでしょう。

素早く・正しい評価制度

会社によっては評価制度が定まっていないこともあります。

しかし、今自分がどのレベルで、今後どのような努力をしていかなければならないのかが定まっていないと、目標がたてられず、次第にスタッフはやる気を失っていきます。

また、評価をするにしても、1年に1回の頻度であれば、評価する側もされる側も何の話をしているのかわからなくなってしまいます。

ゲームのように何かのアクションがあればすぐ評価するというのが理想ですが、はじめのころは半年に一回、3カ月に1回と評価の速さを改善していくとよいでしょう。

また、仰々しく会社として評価をしなくとも「よくやったね!」「ありがとう!」という感謝の気持ちも、十分な評価になります。
こうした声掛けはできるだけ素早くしていくことがよいでしょう。

社員にあわせた難易度の仕事を

最近では人手不足による教育者不在をいいことに、新人に仕事を教えず、無理やり難しい仕事を押し付けるということが横行しています。

しかしこれでは新人も仕事の面白さを理解できず、さらに精神的な負担から離職につながっていきます。

最初は簡単な仕事から徐々に難しい仕事を任せていくことが大切です。

できるだけの自由を!

最後に会社の制度として難しいのがゲームがもつ「自由」です。

ゲームが面白いのは、いつでも好きな時に始められ、好きな時に止められることです。

しかし仕事であれば、社内外の都合によりそこまで自由にすることは難しいかもしれません。

とはいえ、フレックスタイム制や柔軟なスケジュール調整などによって、できるだけ対応することがスタッフの仕事への楽しみにつながるといえましょう。

タイムマネジメントは仕事の基本ですが、それは管理上だけでなく、仕事の楽しさでも同じなのかもしれませんね。